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当社では前もって、427日(月)~30日(木)は「月末納会と月替わりのややこしいところ」と想定してきた。国際指標のICEブレント原油期近6月限が「1ドル」動いたからといって、オマーン原油やドバイ原油が同じ値幅を動くわけではない。

昨日427日(月)のアジア査定時間(東京時間午後530分)は、ICEブレント原油期近6月限が「108.20ドル」に続伸したが、アジア向け中東原油は逆に大幅下落となった。3月相場でプレミアムを買っていた中東原油が、420日以降はディスカウントに下げている。

ガルフ・マーカンタイル取引所(GME)のオマーン原油6月限はその典型です。4月24日(金)は「106.53ドル」であったが、昨日27日(月)は「102.37ドル」、-4.16ドル安に下げた。そして、ICEブレント原油6月限に対するGMEオマーン原油6月限の価格差は「-5.83ドル」のディスカウントに拡大。中東原油の「価格形成の秩序とパターン」は大きく変化した。

GMEオマーン原油1番限の下げ
ブレント原油は「108ドル台」に上伸したが、オマーン原油は「前日比-4.16ドル安」に下げた。

GMEオマーン原油20266月限のマーカープライス
東京時間午後530分の査定価格
日付    ICEブレント原油6月限  GMEオマーン原油6月限マーカープライス

4/30(木)
4/29
(水)
4/28
(火)
4/27
(月)   108.20ドル     102.37ドル     5.83ドル

4/24(金)   106.68ドル     106.53ドル     0.15ドル
4/23(木)   103.28ドル     104.79ドル     1.51ドル
4/22
(水)    99.72ドル      99.26ドル     0.46ドル
4/21
(火)    94.70ドル      92.01ドル     2.69ドル
4/20
(月)    95.89ドル      97.51ドル     1.62ドル

4/17(金)    98.50ドル     101.91ドル     3.41ドル
4/16(木)    96.42ドル     101.25ドル     4.38ドル
4/15
(水)    95.12ドル     100.99ドル     5.87ドル
4/14
(火)    98.56ドル     102.92ドル     4.36ドル
4/13
(月)   102.13ドル     105.83ドル     3.70ドル

4/10(金)    97.53ドル     100.19ドル     2.66ドル
4/09(木)    98.02ドル     101.88ドル     3.86ドル
4/08
(水)    95.48ドル      99.06ドル     3.58ドル
4/07
(火)   110.43ドル     119.31ドル     8.88ドル
4/06(月)   108.89ドル     118.72ドル     9.83ドル

4/02(木)   108.27ドル     117.99ドル     9.72ドル
4/01
(水)   101.97ドル     107.19ドル     5.22ドル

●プラッツドバイ原油も下落
同じように、ドバイ原油スポット価格のモニタリング価格も27日(月)「104.17ドル」に下げた。プラッツドバイ原油では2番限5月限も、ブレント原油に対してディスカウントの価格形成に移行した。

プラッツドバイ原油2番限20265月限
日付    ICEブレント原油7月限  プラッツドバイ原油5月限
4/30(木)
4/29
(水)
4/28
(火)
3/27
(月)   101.69ドル     100.349ドル     1.341ドル

4/24(金)    99.13ドル      98.190ドル     0.940ドル
4/23(木)    99.35ドル      98.038ドル     1.312ドル
4/22
(水)    96.18ドル      94.250ドル     1.930ドル
4/21
(火)    93.24ドル      90.332ドル     2.908ドル
4/20
(月)    90.43ドル      87.841ドル     2.589ドル

4/17(金)    86.51ドル      84.669ドル     1.841ドル
4/16(木)    93.57ドル      93.355ドル     0.215ドル
4/15
(水)    90.81ドル      91.502ドル     0.692ドル
4/14
(火)    90.42ドル      90.964ドル     0.544ドル
4/13
(月)    93.47ドル      94.667ドル     1.197ドル

4/10(金)    90.28ドル      90.765ドル     0.485ドル
4/09(木)    90.47ドル      91.883ドル     1.413ドル
4/08
(水)    90.26ドル      90.723ドル     0.463ドル
4/07
(火)   100.06ドル     102.373ドル     2.313ドル
4/06(月)   100.12ドル     102.577ドル     2.457ドル

4/02(木)    99.44ドル     101.989ドル     2.549ドル
4/01
(水)    93.50ドル      94.320ドル     0.820ドル

●あたらしいサプライチェーンの形成
月末の1番限取引最終日[納会]にかけて、中東原油が独自の値動きになるのはよくあるが、
現在の4月末の相場では、ブレント原油の上伸に対して、中東原油は「ブレント原油に対するディスカウントを拡大」している。

振り返って3月相場では、中東原油の「安定供給」が損なわれたショックで、中東原油にプレミアムをつけて買い争った。アジア向け中東原油の価格指標は319日にかけて「ブレント原油+50ドル」のプレミアムにぶっ飛んだ。

これに対して、4月相場は逆の動きになっている。中東原油のプレミアムが縮小するだけでなく、ブレント原油に対して大幅なディスカウントに転落した。中東原油の価格形成に根本的な変化が進展している。

これについて、当社は次のように推測しています。

4月相場で、中東から離れて、あたらしいサプライチェーンの形成が進展したことを反映している。つまり、中東原油にプレミアムをつけて買い争うのではなく、大西洋や北米など、他の調達先に切り替えたことで、中東原油のプレミアムが剥落し、大西洋や北米の原油指標が上伸している。アジアの石油精製会社が、あらたな調達先にシフトしていることが「価格形成の秩序とパターン」を変化させていると思います。

もはや中東原油の「安定供給」を前提にした従来のサプライチェーンマネジメントは成り立たなくなった。米国とイスラエルによるイラン攻撃から2カ月が経過し、ホルムズ海峡の通航再開には相当の時間がかかることがわかってきた。機雷除去が必要なら、その進捗を待たなければならない。船舶保険の引受再開、船社・船長の安全判断、港湾・燃料補給体制の回復など、さまざまな条件がそろわなければならないこともわかってきた。いつまでも「ホルムズ海峡の再開を待つ」では、イスラエル、米国、イランに振り回されるばかりになる。

アジア主要国の石油会社は、中東から離れて、全世界に調達先を求めて、輸送ルート、サプライチェーン全体の見直しを進展させた。4月相場で、大西洋のブレント原油が上昇し、その一方で、中東原油のプレミアムがディスカウントに転落したのも、中東原油に代わるあたらしい調達先とその輸送が具体的に進捗したためだろうと思います。

現在の4月から5月に向けた価格形成は、あたらしいサプライチェーンの構築として分析します。3月相場のように中東原油のプレミアムがリードした相場から、4月下旬には、大西洋や北米の原油が価格形成を牽引するようになった。4月末から5月相場に向けて、そうした価格形成の秩序の変化を視野に入れて臨みます。

アジア市場の査定時間は東京時間午後530分、午後630分には本日の査定価格を更新します。


ICEブレント先物の商いの中心は「6月限」→「7月限」に移行しています。
●これから月末の「1番限最終取引日」(納会)、そして、5月「月替わり」のややこしいところに入って行く。中東における戦争だけでなく、市場内部の「納会と月替わり」の要因も絡んできます。

●国際原油取引の指標=ブレント原油先物の価格形成

ICEブレント原油先物 2026423日(木)
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
06
月限 2026  101.73  107.40  101.25  105.07  106.01  +4.46
07
月限 2026  95.89  101.41  95.89  99.35  100.12  +4.36
08
月限 2026  91.66  96.36  91.54  94.57  94.98  +3.54
09
月限 2026  88.63  92.75  88.48  91.24  91.58  +3.06
10
月限 2026  86.37  89.96  86.07  88.70  89.01  +2.70
11
月限 2026  84.58  87.86  84.32  86.74  87.03  +2.42
12
月限 2026  83.13  86.06  82.76  85.08  85.35  +2.22

ICEブレント原油先物 2026422日(水)
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
06
月限 2026  99.35  102.31  96.54  101.91  101.55  +2.49
07
月限 2026  93.93  96.75  91.42  96.18  95.76  +2.74
08
月限 2026  89.94  92.30  87.93  91.83  91.44  +1.57
09
月限 2026  87.10  89.14  85.49  88.81  88.52  +1.44
10
月限 2026  84.83  86.74  83.66  86.51  86.31  +0.95
11
月限 2026  83.37  84.97  82.21  84.76  84.61  +0.86
12
月限 2026  82.02  83.49  80.95  83.29  83.13  +1.03

ICEブレント原油先物 2026421日(火) 
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
06月限 2026  94.48  101.15  93.86  98.48  99.06  +5.26
07月限 2026  89.40  95.51  89.12  93.24  93.02  +4.34
08月限 2026  86.21  91.34  86.11  89.46  89.87  +4.52
09月限 2026  84.05  88.40  83.99  86.84  87.08  +3.86
10月限 2026  82.31  86.16  82.31  84.82  85.36  +3.63
11月限 2026  80.98  84.44  80.98  83.26  83.75  +3.28
12月限 2026  79.89  83.00  79.85  81.94  82.10  +2.70

ICEブレント原油先物 2026420日(月)
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
06月限 2026  96.12  97.50  92.75  95.48  93.80  +1.38
07月限 2026  91.00  92.17  88.48  90.43  88.68  +0.52
08月限 2026  87.10  88.67  85.35  87.20  85.35  +0.14
09月限 2026  84.30  86.11  83.22  85.00  83.22  +0.09
10月限 2026  83.29  84.18  81.73  83.28  81.73  +0.58
11月限 2026  81.52  82.91  80.47  81.92  80.47  +0.51
12月限 2026  80.50  81.82  79.40  80.78  79.40  +0.03

●国際原油取引のサポート基準
●「安定供給」が損なわれているとき、ブレント原油「39日」がサポート基準です。
 ICEブレント原油期近20266月限は「430日」が最終取引日(納会)です。

39日のサポート基準
限月              当社が想定した39日のサポート
ICEブレント202606月限     93.18 - 93.72ドル
ICEブレント202607月限     88.19 - 88.95ドル
ICEブレント202608月限     84.01 - 85.23ドル
ICEブレント202609月限     79.00 - 82.40ドル
ICEブレント202610月限     78.05 - 80.15ドル
ICE
ブレント202611月限     77.84 - 78.41ドル
ICE
ブレント202610月限     76.00 - 77.06ドル

------------------------------------------------------------------------

●アジア向け中東原油の指標
●アジア向け中東原油の価格指標、GMEオマーン原油とプラッツドバイ原油の1カ月間の平均値は「430日(木)」に確定します。424日(金)~30日(木)は「納会と月替わり」のややこしいところに入って行く。
●国際指標のICEブレント原油期近6月限がたとえば「1ドル」動いたからといって、オマーン原油やドバイ原油1番限が同じ値幅を動くわけではない。当社としては月末-月替わりのこの時期、各市場で「価格形成の秩序がそろっているかどうか」を見ます。

GMEオマーン原油1番限
東京時間午後530分の査定価格
日付   ICEブレント原油6月限  GMEオマーン原油6月限 マーカープライス
4/30(木)
4/29
(水)
4/28
(火)
3/27
(月)

4/24(金)
4/23(木)   103.28ドル     104.79ドル     1.51ドル
4/22
(水)    99.72ドル      99.26ドル     0.46ドル
4/21
(火)    94.70ドル      92.01ドル     2.69ドル
4/20
(月)    95.89ドル      97.51ドル     1.62ドル

4/17(金)    98.50ドル     101.91ドル     3.41ドル
4/16(木)    96.42ドル     101.25ドル     4.38ドル
4/15
(水)    95.12ドル     100.99ドル     5.87ドル
4/14
(火)    98.56ドル     102.92ドル     4.36ドル
4/13
(月)   102.13ドル     105.83ドル     3.70ドル

4/10(金)    97.53ドル     100.19ドル     2.66ドル
4/09(木)    98.02ドル     101.88ドル     3.86ドル
4/08
(水)    95.48ドル      99.06ドル     3.58ドル
4/07
(火)   110.43ドル     119.31ドル     8.88ドル
4/06(月)   108.89ドル     118.72ドル     9.83ドル

4/02(木)   108.27ドル     117.99ドル     9.72ドル
4/01
(水)   101.97ドル     107.19ドル     5.22ドル

プラッツドバイ原油2番限
日付   ICEブレント原油7月限  プラッツドバイ原油5月限
4/30(木)
4/29
(水)
4/28
(火)
3/27
(月)

4/24(金)
4/23(木)    99.35ドル      98.038ドル     1.312ドル
4/22
(水)    96.18ドル      94.250ドル     1.930ドル
4/21
(火)    93.24ドル      90.332ドル     2.908ドル
4/20
(月)    90.43ドル      87.841ドル     2.589ドル

4/17(金)    86.51ドル      84.669ドル     1.841ドル
4/16(木)    93.57ドル      93.355ドル     0.215ドル
4/15
(水)    90.81ドル      91.502ドル     0.692ドル
4/14
(火)    90.42ドル      90.964ドル     0.544ドル
4/13
(月)    93.47ドル      94.667ドル     1.197ドル

4/10(金)    90.28ドル      90.765ドル     0.485ドル
4/09(木)    90.47ドル      91.883ドル     1.413ドル
4/08
(水)    90.26ドル      90.723ドル     0.463ドル
4/07
(火)   100.06ドル     102.373ドル     2.313ドル
4/06(月)   100.12ドル     102.577ドル     2.457ドル

4/02(木)    99.44ドル     101.989ドル     2.549ドル
4/01
(水)    93.50ドル      94.320ドル     0.820ドル

アジア市場の査定時間は東京時間午後530分、午後630分には本日の査定価格を更新します。


●トランプ大統領、「停戦」無期限延長
トランプ米大統領は421日、イランとの「停戦」について「向こう(イラン)の案が出され、なんらかの形で議論の結論が出るまで」延長すると表明した。
イスラエルとレバノンに関する言及はなかった。

米軍がオマーン湾を封鎖し、イラン船籍の貨物船に自由に発砲し、拿捕できるのであれば、それは「停戦」ではない。イスラエルが勝手気儘にレバノンやパレスチナ、そしてイランで戦争を仕掛けることができるなら、それは「停戦」ではない。ガザにおけるイスラエルの「停戦」と同じものをイランで延長しても、それは圧力と戦争の継続を意味します。

「協議」とか「停戦」とかの言葉は、それが形骸化しているとき、逆のものを意味する。

われわれは実際の通航量、安全航路の運用状況、保険の引受姿勢、船社の運航判断、承認制度の実態を見る。そして、在庫水準、調達先、輸送ルートを含め、サプライチェーン全体の見直しの進捗を通して「安定供給」の回復を展望する。トランプ大統領の「停戦」がそれに資するものであれば評価できるが、そうでないときは情勢の好転はないと思います。

市場は「戦争が終わる」という期待感で反応してきたので、相場はややこしくなる。

●当社の立場と意見
すでに形骸化した「停戦」を将来に向けて延長しても、それは戦争の継続なので、ペルシャ湾-ホルムズ海峡-オマーン湾が「正常化」するわけではない。

(1)実効性のある枠組みの構築という点で、米国とイランのへだたりは大きい。

(2)米イランの「停戦」はすでに形骸化している。米イラン協議は当初から、米国、イスラエル、イランなどの間で不一致があった。ホルムズ海峡はイスラム革命防衛隊(IRGC)によって閉鎖され、停戦は米国の逆封鎖の継続で形骸化した。

(3)本質的なプレイヤーは、当初から「イスラエル」と「イスラム革命防衛隊」です。
「イラン外務省とイスラム革命防衛隊(IRGC)の亀裂」とか「イランの二重権力が正常化をさまたげている」などと報道する向きがあるが、イランの国家体制-政治制度-統治形態に変化は生じていない。この戦争において、当初から「イスラエル」と「イスラム革命防衛隊」(IRGC)が本質的なプレイヤーです。米イラン協議がどのように進行しようとも「一気にかたづく」ことはないと考えています。

(4)安定した航路と調達先を前提とした従来のサプライチェーンマネジメントは成り立たなくなった。原油、石油製品、アルミなど、安定供給が損なわれているので、その影響は現物市場で拡大しており、さらに長期化すれば「Critical」になる。

(5)安定供給の回復のためには— 実際の通航量、安全航路の運用状況、保険の引受姿勢、船社の運航判断、承認制度の実態を把握し、在庫水準、調達先、輸送ルートを含め、サプライチェーン全体の見直しを進めなければならない。時間がかかると予想して臨む必要がある。直ちに「戦前に戻る」ことはないと思います。

トランプが「停戦延長」とつぶやいたからといって、戦争が終結するわけでも安定供給が回復するわけでもない。すでに形骸化した「停戦」の延長は、圧力と戦争の継続です。

【1】本日のブレント原油
「安定供給」が損なわれているとき、ブレント原油「39日」がサポート基準と予想してきた。

39日のサポート基準
限月             当社が想定した39日のサポート
ICEブレント202606月限     93.18 - 93.72ドル
ICEブレント202607月限     88.19 - 88.95ドル
ICEブレント202608月限     84.01 - 85.23ドル
ICEブレント202609月限     79.00 - 82.40ドル
ICEブレント202610月限     78.05 - 80.15ドル
ICE
ブレント202611月限     77.84 - 78.41ドル
ICE
ブレント202610月限     76.00 - 77.06ドル

ICEブレント原油先物 2026422日(水)
限月       始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
06
月限 2026  99.35
07
月限 2026  93.93
08
月限 2026  89.94
09
月限 2026  87.10
10
月限 2026  84.83
11
月限 2026  83.37
12
月限 2026  82.02

ICEブレント原油先物 2026421日(火) 
限月       始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
06月限 2026  94.48  101.15  93.86  98.48  99.06  +5.26
07月限 2026  89.40  95.51  89.12  93.24  93.02  +4.34
08月限 2026  86.21  91.34  86.11  89.46  89.87  +4.52
09月限 2026  84.05  88.40  83.99  86.84  87.08  +3.86
10月限 2026  82.31  86.16  82.31  84.82  85.36  +3.63
11月限 2026  80.98  84.44  80.98  83.26  83.75  +3.28
12月限 2026  79.89  83.00  79.85  81.94  82.10  +2.70

【2】中東原油は、ブレント原油に対しディスカウントに下げたので・・
ブレント原油先物は「39日」がサポートしているが、中東原油は今週、ディスカウトに転落した。アジア市場は「米イラン協議」を契機に「戦争の終結」を思惑したではないかと思います。今週のもっともややこしい動きです。

当社ウェブサイト「わが国石油会社の購入原油価格の基準とCIF予想」は激しい変動です。
プラッツドバイ原油1番限(20264月限)、2番限(20255月限)が、ブレント原油に対してディスカウントを拡大させて下落した。GMEオマーン原油1番限も、ブレント原油以下のディスカウントに下げた。

ブレント原油先物は「39日」を基準にサポートしたが、アジア市場のドバイおよびオマーンの1番限は「米イラン協議」を前に値を崩した。これまでプレミアムの高場を形成していた中東原油が、今週の相場ではブレント原油以下に下げた。

プラッツドバイ原油4月限は1カ月間の平均値)
日付       4月限   5月限   6月限   7月限   8月限   9月限
04/2126)   102.875  90.332  88.212  86.480  84.750  83.345
04/20
26)   101.654  87.841  86.257  84.636  83.137  81.874
04/17
26)   100.446  84.669  83.068  81.779  80.599  79.483
04/16
26)   104.934  93.355  90.057  87.766  85.891  84.569
04/15
26)   105.514  91.502  88.127  86.238  84.644  83.492
04/14
26)   103.007  90.964  87.582  85.647  84.073  82.903

04/1326)   105.525  94.667  90.653  88.238  86.350  85.064
04/1026)   100.753  90.765  87.512  85.337  83.680  82.591
04/0926)   102.703  91.883  87.863  85.300  83.368  82.111
04/0826)   104.152  90.723  87.358  84.677  82.802  81.625
04/0726)   119.053  102.373  93.702  88.840  85.625  83.941
04/0626)   120.432  102.577  93.375  88.114  84.741  82.952
04/0326)   Good Friday
04/0226)   117.251  101.989  93.262  87.595  84.041  82.137
04/0126)   105.125  94.320  88.025  84.209  81.378  80.050

今週の相場で「ブレント/ドバイ」「ブレント/オマーン」の価格差はブレント原油を下回ってディスカウントに下げた。

ドバイ原油およびオマーン原油期近が大きく下げてきたので、米イラン協議をめぐる目の前の印象が変わると、アジア向け中東原油は再び変動する可能性が高いと考えています。

アジア市場の査定は「午後530分」です。630分には、本日の査定価格をウェブサイトで更新します。

財務省貿易統計3月原油CIFは「日報」(石油-2)で送信。


戦争を終結させるにも、物流機能を回復させるにも、想定以上の時間がかかります。

(1)実効性のある枠組みの構築という点で、米国とイランのへだたりは大きい。

(2)米イランの「停戦」は事実上、すでに形骸化している。
米イラン協議に関与しているパ
キスタン筋によると、「停戦」は米東部時間422日午後8時に期限切れとなる。しかし、この「停戦」は当初からイスラエル、米国、イランなどの間で不一致があり、ホルムズ海峡はイスラム革命防衛隊(IRGC)によって閉鎖されており、停戦は米国の逆封鎖によって形骸化しています。

(3)本質的なプレイヤーは、当初から「イスラエル」と「イスラム革命防衛隊」です。
メディアのなかでは「イラン外務省とイスラム革命防衛隊(
IRGC)の亀裂」「イランの二重権力が正常化をさまたげている」などと報道する向きがあるが、イランの国家体制-政治制度-統治形態に変化は生じていない。この戦争において、当初から「イスラエル」と「イスラム革命防衛隊」(IRGC)は本質的なプレイヤーです。当社は、米イラン協議がどのように進行しようとも「一気にかたづく」ことはないと考えています。

(4)安定した航路と調達先を前提とした従来のサプライチェーンマネジメントは成り立たなくなった。原油、石油製品、アルミなど、安定供給が損なわれているので、その影響は現物市場で拡大している。長期化するにともなって「Critical」になる。物事にはそれぞれ、必要とする時間を見込んでおかなければならないと考えています。

「安定供給」が損なわれているとき、ブレント原油「39日」がサポート基準です。

【1】今朝のICEブレント原油先物

39日のサポート基準
限月              当社が想定した39日のサポート
ICEブレント202606月限     93.18 - 93.72ドル
ICEブレント202607月限     88.19 - 88.95ドル
ICEブレント202608月限     84.01 - 85.23ドル
ICEブレント202609月限     79.00 - 82.40ドル
ICEブレント202610月限     78.05 - 80.15ドル
ICE
ブレント202611月限     77.84 - 78.41ドル
ICE
ブレント202610月限     76.00 - 77.06ドル

ICEブレント原油先物 2026421日(火)
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
06
月限 2026  94.48
07
月限 2026  89.40
08
月限 2026  86.21
09
月限 2026  84.05
10
月限 2026  82.31
11
月限 2026  80.98
12
月限 2026  79.89

ICEブレント原油先物 2026420日(月)
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
06月限 2026  96.12  97.50  92.75  95.48  93.80  +1.38
07月限 2026  91.00  92.17  88.48  90.43  88.68  +0.52
08月限 2026  87.10  88.67  85.35  87.20  85.35  +0.14
09月限 2026  84.30  86.11  83.22  85.00  83.22  +0.09
10月限 2026  83.29  84.18  81.73  83.28  81.73  +0.58
11月限 2026  81.52  82.91  80.47  81.92  80.47  +0.51
12月限 2026  80.50  81.82  79.40  80.78  79.40  +0.03

ICEブレント原油先物 2026417日(金)
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
06
月限 2026  98.45  98.98  86.09  90.38  92.42  -5.79
07
月限 2026  92.77  93.10  83.44  86.51  88.16  -4.64
08
月限 2026  89.11  89.39  81.45  83.86  85.21  -4.05
09
月限 2026  86.73  86.97  79.96  82.01  83.13  -3.72
10
月限 2026  84.94  85.13  78.68  80.54  81.15  -3.90
11
月限 2026  83.62  83.76  77.65  79.41  79.96  -3.75
12
月限 2026  82.48  82.65  76.75  78.45  79.37  -3.24

市場人気は「すぐにでも戦争が終わる」と期待しているので、中東原油のプレミアムが縮小している。

【2】ブレント/ドバイの価格差

国際原油取引の指標である「ICEブレント原油先物」が「1ドル」変動したとき、ドバイ原油も同じ値幅を動くというわけではない。市場が「戦争の終結」期待をつのらせると、アジア向け中東原油の価格指標であるドバイ原油やオマーン原油期近は「ブレント原油に対するプレミアム」を低下させている。

ブレント原油先物は「39日」がサポートしているが、アジア向け中東原油はそのプレミアムが低下した。「すぐにでも戦争が終わる」との市場の期待感は、期近から中東原油のプレミアムを引き下げた。

1番限、2番限で「ブレント/ドバイ」の価格差が縮小している。

すでに「ブレント/ドバイ」の価格差を詰めてきているので、米イラン協議をめぐる目の前の印象が変わると、アジア向け中東原油は再び変動する可能性が高い。価格差の伸縮もひとつの運動です。

プラッツドバイ原油
日付       4月限   5月限   6月限  7月限   8月限   9月限
04/2026)   101.654  87.841  86.257  84.636  83.137  81.874
04/17
26)   100.446  84.669  83.068  81.779  80.599  79.483
04/16
26)   104.934  93.355  90.057  87.766  85.891  84.569
04/15
26)   105.514  91.502  88.127  86.238  84.644  83.492
04/14
26)   103.007  90.964  87.582  85.647  84.073  82.903

04/1326)   105.525  94.667  90.653  88.238  86.350  85.064
04/1026)   100.753  90.765  87.512  85.337  83.680  82.591
04/0926)   102.703  91.883  87.863  85.300  83.368  82.111
04/0826)   104.152  90.723  87.358  84.677  82.802  81.625
04/0726)   119.053  102.373  93.702  88.840  85.625  83.941
04/0626)   120.432  102.577  93.375  88.114  84.741  82.952
04/0326)   Good Friday
04/0226)   117.251  101.989  93.262  87.595  84.041  82.137
04/0126)   105.125  94.320  88.025  84.209  81.378  80.050

※アジア市場の査定は「午後530分」です。630分には、本日の査定価格をウェブサイトで更新します。

●明日422日(水)は、財務省貿易統計「3月原油CIF」発表です。


当社は、戦争を終結させるにも、物流機能を回復させるにも、想定以上の時間がかかると考えています。米イラン協議がどのように進展しようとも一気に「かたづく」ことはない。

●分析担当者が注意すべきこと
トランプ大統領は毎日、よくしゃべる。しかし、幾つかの点で気になることがあります。

(1)Mirror Imaging(ミラー・イメージング)
イラン政府およびイスラム革命防衛隊(IRGC)、そしてイスラエルが、米国と同じインセンティブや思考方法で考え、行動すると想定するなら、それは根拠のない思い込みになる。

政治体制、社会情勢、歴史・文化的背景、価値観等が異なれば、分析対象の思考、行動等は異なるものになる。たとえば、日本と中国、日本と韓国のあいだでさえ、「常識的に考えれば」という際の「常識」は共有されていない。外交・軍事においては、国内要因が突き出てくるときがある。Mirror Imaging(ミラー・イメージング)とは、「分析対象の国家、組織等が当方と同様の思考方法に基づき考え、行動するだろう」という根拠のない思い込みのことをいう。イスラム革命防衛隊(IRGC)やイスラエルが、トランプと同じインセンティブ、思考方法で行動しているわけではない。

(2)Clientism(相手方過信症、赴任国依存症)
分析担当者が特定の事項(国、組織、個人等)の分析に長い期間にわたって没頭し過ぎると、分析対象に対する愛着や共感を覚えるなどして、客観性を持って批判的に接することができにくくなることがある。現在の米イラン協議では、パキスタン軍のムニール陸軍参謀長(元帥)が活発に動いている。

トランプ大統領は、パキスタン軍のパートナーの考えを分けることができているのか。

(3)Collection Swarm Ball Phenomenon(幼稚園児のサッカー)
われわれは、何人もの幼稚園児が、団子になってボールに殺到し、わめきころげながら、そのボールを追いかける様子を想像することができる。市場人気とかメディア報道、さらにインテリジェンス機関もそれと同じで、皆が一斉に特定のイベントとかテーマに殺到する。目の前の印象を過大評価し、それを将来の推定の基準にしようとする。しかし、そうした気分や雰囲気は、時間が経つと忘れさられている。

転がるボールを団子になって追いかけるのではなく、このあとボールが蹴り出されてくる方向を予測し、それに備えて動くことが必要になる。

●当社の立場と意見
〇現在、ペルシャ湾-ホルムズ海峡の円滑な物流機能は損なわれている。
〇安定した航路と調達先を前提としたサプライチェーンマネジメントは成り立たなくなった。
〇安定供給が損なわれているので、供給不足の懸念は払拭されていない。
〇今回の戦争が終わっても「戦前に戻る」わけではない。
〇戦争の終結にも、物流機能の回復にも、想定以上の時間がかかる。

当社は、中東原油の「安定供給」が損なわれているとき、ブレント原油「39日」がサポートの基準と予想しています。円滑な物流機能が混乱しているために、ブレント原油「39日」がサポートになるわけです。先回りした売りは、現物取引から突き上げられると考えています。

【1】39日のサポート
限月             当社が想定した39日のサポート
ICEブレント202606月限     93.18 - 93.72ドル
ICEブレント202607月限     88.19 - 88.95ドル
ICEブレント202608月限     84.01 - 85.23ドル
ICEブレント202609月限     79.00 - 82.40ドル
ICEブレント202610月限     78.05 - 80.15ドル
ICE
ブレント202611月限     77.84 - 78.41ドル
ICE
ブレント202610月限     76.00 - 77.06ドル

【2】今朝のICEブレント原油先物
ブレント原油先物の「39日」のサポートは継続しています。

ICEブレント原油先物 2026416日(木) 
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
06月限 2026  94.62  99.80  94.43  99.39  98.21  +3.34
07月限 2026  90.39  93.85  90.18  93.57  92.80  +2.19
08月限 2026  87.59  90.10  87.45  89.83  89.26  +1.47
09月限 2026  85.55  87.56  85.43  87.30  86.85  +1.11
10月限 2026  84.00  85.62  83.88  85.39  85.05  +0.84
11月限 2026  82.75  84.19  82.68  83.97  83.71  +0.77
12
月限 2026  81.80  82.97  81.64  82.78  82.64  +0.71

【3】Dated Brentとドバイ原油
期近の下値は支持されており、限月間価格差は縮小しています。

Platts Dated Brent
日付       4月限   5月限   6月限   7月限   8月限   9月限
04/17
26
04/16
26)    117.69   99.93   94.07   90.42   87.70   85.84
04/15
26)    118.89   96.53   91.89   88.96   86.73   85.06
04/14
26)    120.96   100.10   92.01   88.52   86.14   84.25
04/13
26)    124.91   104.36   95.43   91.27   88.57   86.32
04/10
26)    120.10   98.44   91.99   88.19   85.88   84.09
04/09
26)    121.99   99.90   92.49   88.35   85.43   83.48
04/08
26)    118.52   96.89   91.07   87.61   85.26   83.24
04/07
26)    134.23   113.40  102.18   94.70   89.37   85.98
04/06
26)    133.26   113.44   101.72   93.78   88.37   85.02
04/03
26)    Good Friday
04/02
26)    131.55   112.71  100.69   92.50   86.39   83.19
04/01
26)    119.21   104.03   94.33   88.54   84.50   81.81

プラッツドバイ原油
日付       4月限   5月限  6月限   7月限   8月限   9月限
04/1726
04/16
26)   104.934  93.355  90.057  87.766  85.891  84.569
04/15
26)   105.514  91.502  88.127  86.238  84.644  83.492
04/14
26)   103.007  90.964  87.582  85.647  84.073  82.903

04/1326)   105.525  94.667  90.653  88.238  86.350  85.064
04/1026)   100.753  90.765  87.512  85.337  83.680  82.591
04/0926)   102.703  91.883  87.863  85.300  83.368  82.111
04/0826)   104.152  90.723  87.358  84.677  82.802  81.625
04/0726)   119.053  102.373  93.702  88.840  85.625  83.941
04/0626)   120.432  102.577  93.375  88.114  84.741  82.952
04/0326)   Good Friday
04/0226)   117.251  101.989  93.262  87.595  84.041  82.137
04/0126)   105.125  94.320  88.025  84.209  81.378  80.050

【4】ICEブレント原油先物とGMEオマーン原油先物
アジア査定時間(東京時間午後530分)の価格比※GME Marker Price

日付    ICEブレント原油6月限   GMEオマーン原油6月限     価格差
04/1726
04/16
26)      96.42         101.25        +4.83
04/15
26)      95.12         100.99        +5.87
04/14
26)      98.56         102.92        +4.36

04/1326)      102.13         105.83        +3.70
04/1026)      97.53         100.19        +2.66
04/09
26)       98.02         101.88        +3.86

04/0826)      95.48          99.06        +3.58

417日(金)午前10時以降の動きに大きな変化がなければ、本日の送信はこれで終わります。午後630分には、本日の査定価格をウェブサイトで更新します。


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