戦争を終結させるにも、物流機能を回復させるにも、想定以上の時間がかかります。
(1)実効性のある枠組みの構築という点で、米国とイランのへだたりは大きい。
(2)米イランの「停戦」は事実上、すでに形骸化している。
米イラン協議に関与しているパキスタン筋によると、「停戦」は米東部時間4月22日午後8時に期限切れとなる。しかし、この「停戦」は当初からイスラエル、米国、イランなどの間で不一致があり、ホルムズ海峡はイスラム革命防衛隊(IRGC)によって閉鎖されており、停戦は米国の逆封鎖によって形骸化しています。
(3)本質的なプレイヤーは、当初から「イスラエル」と「イスラム革命防衛隊」です。
メディアのなかでは「イラン外務省とイスラム革命防衛隊(IRGC)の亀裂」「イランの二重権力が正常化をさまたげている」などと報道する向きがあるが、イランの国家体制-政治制度-統治形態に変化は生じていない。この戦争において、当初から「イスラエル」と「イスラム革命防衛隊」(IRGC)は本質的なプレイヤーです。当社は、米イラン協議がどのように進行しようとも「一気にかたづく」ことはないと考えています。
(4)安定した航路と調達先を前提とした従来のサプライチェーンマネジメントは成り立たなくなった。原油、石油製品、アルミなど、安定供給が損なわれているので、その影響は現物市場で拡大している。長期化するにともなって「Critical」になる。物事にはそれぞれ、必要とする時間を見込んでおかなければならないと考えています。
「安定供給」が損なわれているとき、ブレント原油「3月9日」がサポート基準です。
【1】今朝のICEブレント原油先物
3月9日のサポート基準
限月 当社が想定した3月9日のサポート
ICEブレント2026年06月限 93.18 - 93.72ドル
ICEブレント2026年07月限 88.19 - 88.95ドル
ICEブレント2026年08月限 84.01 - 85.23ドル
ICEブレント2026年09月限 79.00 - 82.40ドル
ICEブレント2026年10月限 78.05 - 80.15ドル
ICEブレント2026年11月限 77.84 - 78.41ドル
ICEブレント2026年10月限 76.00 - 77.06ドル
ICEブレント原油先物 2026年4月21日(火)
限月 始値 高値 安値 帳入値 終値 前日比
06月限 2026 94.48
07月限 2026 89.40
08月限 2026 86.21
09月限 2026 84.05
10月限 2026 82.31
11月限 2026 80.98
12月限 2026 79.89
ICEブレント原油先物 2026年4月20日(月)
限月 始値 高値 安値 帳入値 終値
前日比
06月限 2026 96.12 97.50 92.75 95.48 93.80 +1.38
07月限 2026 91.00 92.17 88.48 90.43 88.68 +0.52
08月限 2026 87.10 88.67 85.35 87.20 85.35 +0.14
09月限 2026 84.30 86.11 83.22 85.00 83.22 +0.09
10月限 2026 83.29 84.18 81.73 83.28 81.73 +0.58
11月限 2026 81.52 82.91 80.47 81.92 80.47 +0.51
12月限 2026 80.50 81.82 79.40 80.78 79.40 +0.03
ICEブレント原油先物 2026年4月17日(金)
限月 始値 高値 安値 帳入値 終値 前日比
06月限 2026 98.45 98.98 86.09 90.38 92.42 -5.79
07月限 2026 92.77 93.10 83.44 86.51 88.16 -4.64
08月限 2026 89.11 89.39 81.45 83.86 85.21 -4.05
09月限 2026 86.73 86.97 79.96 82.01 83.13 -3.72
10月限 2026 84.94 85.13 78.68 80.54 81.15 -3.90
11月限 2026 83.62 83.76 77.65 79.41 79.96 -3.75
12月限 2026 82.48 82.65 76.75 78.45 79.37 -3.24
市場人気は「すぐにでも戦争が終わる」と期待しているので、中東原油のプレミアムが縮小している。
【2】ブレント/ドバイの価格差
国際原油取引の指標である「ICEブレント原油先物」が「1ドル」変動したとき、ドバイ原油も同じ値幅を動くというわけではない。市場が「戦争の終結」期待をつのらせると、アジア向け中東原油の価格指標であるドバイ原油やオマーン原油期近は「ブレント原油に対するプレミアム」を低下させている。
ブレント原油先物は「3月9日」がサポートしているが、アジア向け中東原油はそのプレミアムが低下した。「すぐにでも戦争が終わる」との市場の期待感は、期近から中東原油のプレミアムを引き下げた。
1番限、2番限で「ブレント/ドバイ」の価格差が縮小している。
すでに「ブレント/ドバイ」の価格差を詰めてきているので、米イラン協議をめぐる目の前の印象が変わると、アジア向け中東原油は再び変動する可能性が高い。価格差の伸縮もひとつの運動です。
プラッツドバイ原油
日付 4月限 5月限 6月限 7月限 8月限 9月限
04/20(26) 101.654 87.841 86.257 84.636 83.137 81.874
04/17(26) 100.446 84.669 83.068 81.779 80.599 79.483
04/16(26) 104.934 93.355 90.057 87.766 85.891 84.569
04/15(26) 105.514 91.502 88.127 86.238 84.644 83.492
04/14(26) 103.007 90.964 87.582 85.647 84.073 82.903
04/13(26) 105.525 94.667 90.653 88.238 86.350 85.064
04/10(26) 100.753 90.765 87.512 85.337 83.680 82.591
04/09(26) 102.703 91.883 87.863 85.300 83.368 82.111
04/08(26) 104.152 90.723 87.358 84.677 82.802 81.625
04/07(26) 119.053 102.373 93.702 88.840 85.625 83.941
04/06(26) 120.432 102.577 93.375 88.114 84.741 82.952
04/03(26) Good
Friday
04/02(26) 117.251 101.989 93.262 87.595 84.041 82.137
04/01(26) 105.125 94.320 88.025 84.209 81.378 80.050
※アジア市場の査定は「午後5時30分」です。6時30分には、本日の査定価格をウェブサイトで更新します。
●明日4月22日(水)は、財務省貿易統計「3月原油CIF」発表です。