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当社は「安定供給」が市場テーマ―になっているとき、ブレント原油「39日」がサポート基準とお伝えしてきた。※324日の「日報」(石油-2)、325日の「日報」(石油-1)、3月26日の「日報」(石油-1)などで記しています。

【1】39日のサポート基準
中東原油の「安定供給」が焦点のとき、ブレント原油先物は「39日」がサポートとして働く。

限月             当社が想定した39日のサポート
ICEブレント202606月限     93.18 - 93.72ドル
ICEブレント202607月限     88.19 - 88.95ドル
ICEブレント202608月限     84.01 - 85.23ドル
ICEブレント202609月限     79.00 - 82.40ドル
ICEブレント202610月限     78.05 - 80.15ドル
ICE
ブレント202611月限     77.84 - 78.41ドル
ICE
ブレント202612月限     76.00 - 77.06ドル

【2】昨日のICEブレント原油先物
ペルシャ湾-ホルムズ海峡の円滑な物流機能は損なわれているので「39日」はサポートです。
一時的に「39日」以下に突っ込んでも、帳入値では引き戻しています。

ICEブレント原油先物 202648日(水)
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比

06月限 2026  95.00  97.22  90.40  94.75  96.70  -6.72
07月限 2026  90.00  92.14  86.08  90.26  91.91  -3.90
08月限 2026  83.50  88.07  82.17  86.52  87.91  -1.90
09月限 2026  81.00  85.47  79.71  84.11  85.25  -0.92
10月限 2026  77.89  83.59  77.89  82.40  83.35  +0.20
11月限 2026  78.17  82.28  76.86  81.19  81.99  +0.60
12月限 2026  77.50  81.20  75.88  80.17  80.93  +0.94

〇現在、ペルシャ湾-ホルムズ海峡の円滑な物流機能は損なわれている。
〇安定した航路と調達先を前提としたサプライチェーンマネジメントは成り立たなくなった。
〇安定供給が損なわれ、供給不足の懸念は払拭されていない。
〇今回の戦争が終わっても「戦前に戻る」わけではない。
〇イランによるホルムズ海峡の管理は「制度化」していく公算が大きい。
〇その通行料徴収には、場合によっては米国も絡んでくる可能性がある。
〇さまざまな可能性があるので、具体的にわかるまでには時間がかかる。

ブレント原油先物「39日」が引き続き「サポートして働く」と考えています。

【3】47日(火)~48日(水)の情報は「混迷」している
データを集めて整理しようと思ったのですが・・
47日(火)~48日(水)の情報は根本的な基盤から「混迷」しています。

●イランによるホルムズ海峡の管理、その通行料徴収について
トランプ大統領は48日(水)午前、海峡通過船から通航料を徴収するため、イランとの合弁事業の可能性に言及した。

トランプ大統領は48日(水)、ABCニュースの取材に対し、イランがホルムズ海峡を通過する船舶に通航料を課す考えを示していることについて「アメリカとイランによる共同事業で徴収する可能性がある」と語った。その理由について、トランプ氏は「安全確保の観点や様々な勢力から海峡を守ることにもつながる」との考えを示した。

これに対しレビット報道官は、「それはわれわれが最終的に受け入れたと言ったものではない。合弁事業は大統領が提案したものだが、昨夜の声明で明確にした通り、海峡の即時かつ無制限の再開を求めており、それを実現させる」と慎重な言い回しで応えた。

●イスラエルによるレバノン戦争について
イスラエル軍は48日(水)、イランとの戦争開始以降で最大規模となる対ヒズボラ作戦を実施し、10分間で100カ所以上の司令拠点や軍事施設を攻撃したと発表した。ネタニヤフ首相は、今回の軍事作戦によりイラン政権の能力を数年単位で後退させたと評価しながらも、戦争は終結していないと述べた。

レバノン保健省は48日(水)、首都ベイルートを含む国内の複数地域に対するイスラエル軍の攻撃により、少なくとも182人が死亡したと発表した。同省によると、890人が負傷した。レバノンのサラーム首相は同日声明を発表し、イスラエル軍の攻撃で「何百人もの平和的な非武装市民」が被害を受けたとして、4月9日を国民の服喪の日にすると表明した。

フランスのマクロン大統領は48日夜、Xへの投稿で「イスラエルが本日レバノンで実施した無差別攻撃は、多数の民間人犠牲者を出した」と非難した。

イランは、イスラエルによる停戦合意違反と非難した。イランの準国営ファルス通信は、イスラエルの攻撃を受け、ホルムズ海峡の石油タンカー航行が停止されたと報じた。イランのアラグチ外相はSNSへの投稿で「イランと米国の停戦条件は明確だ。米国は選択しなければならない-、停戦か、イスラエルを通じた戦争継続か。両方を同時に取ることはできない」と断じた。

ハンガリー訪問中のバンス副大統領は記者団に対し、イスラエルが米当局者との協議の中で「交渉の成功を確実にしたい」という理由から「レバノンでの行動を少し自制する」意向を示したことも明らかにした。バンス氏は「私の理解では、イスラエル側は、レバノンでの行動を幾​分抑制することを申し​出てきた。われわれの交渉が成功することを確実​にしたいと考えていたからだ」と述べた。トランプ大統領は48日、レバノンは「この合意には含まれていない」と述べた。同地域の戦闘が広範な合意を損なうことはないとの認識を示した。

●停戦合意の基盤について
トランプ大統領は47日(火)の停戦合意の声明(Xへの投稿)で「イランからの10項目の提案が基盤」と述べていた。

「イランからは10項目の提案を受け取っており、交渉の基盤として機能すると考えている。」
「過去のさまざまな争点のほぼ全てについて、米国とイランの間で合意に達している。」

2週間の期間によって合意の最終化と履行が可能になるだろう。」

しかし、トランプ大統領は48日(水)になると、イラン側の10項目提案ではなく「米国の15項目が基になる」と強調した。「15項目の多くはすでに合意されている」と主張した。

イランの10項目案は「根本的に真剣さを欠いたもので受け入れがたく、完全に破棄された。」「イランの要求リストを合意として受け入れるという考えはまったくばかげている」と語った。

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このように情報は「混迷」しており、停戦合意の基盤からすべてが不透明になっている。
4
7日(火)~48日(水)は「混迷」しています。

事実を細部まで調べること
事実の多面性、その深さを理解すること
それを直観的にわかるように説明できること
叙述は正確で簡潔であること
それを追求するために「観測可能」な量のあいだの関係に注目したのですが・・
すべてが不透明になっている現状では、足もとのデータを「将来の推定の基準」にすることはできない。ここで「
観測可能」な量のあいだの関係を分析しても、将来のトレンドを示唆するものにはならない。

「安定供給」が損なわれているとき、ブレント原油は「39日」がサポート基準です。
そして、
410日に向けた情勢と市場の動きを調べます。

●停戦合意
ドナルド・J・トランプ大統領の「X投稿」(全文)

パキスタンのシャリフ首相およびムニール元帥と協議し、私が今夜イランに対して予定していた破壊的な軍事行動の停止について両氏から要請があったことを受け、イランがホルムズ海峡の完全かつ即時、安全な再開に同意することを条件に、イランへの爆撃と攻撃を2週間停止することに同意する。これは双方による停戦となる!

この決定の理由は、われわれが既に全ての軍事目標を達成し、それを上回る成果を得ているほか、イランとの長期的な平和、中東の平和に関する最終合意に向けて大きく前進していることにある。イランからは10項目の提案を受け取っており、交渉の基盤として機能すると考えている。過去のさまざまな争点のほぼ全てについて、米国とイランの間で合意に達しているが、2週間の期間によって合意の最終化と履行が可能になるだろう。

米大統領として、また中東諸国を代表する立場として、この長年の問題が解決に近づいていることを光栄に思う。本件にご関心をお寄せいただき感謝する!

アッバス・アラグチ イラン・イスラム共和国外相の「X投稿」(全文)

イラン・イスラム共和国を代表し、地域における戦争終結に向けたたゆまぬ努力に対し、パキスタンのシャリフ首相およびムニール元帥に深い感謝と謝意を表する。

パキスタンのシャリフ首相が自身の投稿で示した友好的要請に応じ、また米国が提示した15項目の提案に基づく交渉要請、米大統領がイランの10項目提案の大枠を交渉の基盤として受け入れると表明したことを踏まえ、ここにイランの最高安全保障委員会を代表して次の通り宣言する。

イランに対する攻撃が停止されれば、われわれの強力な軍は防衛作戦を停止する。

2週間の期間にわたり、ホルムズ海峡における安全な航行は、イラン軍との調整および技術的制約への十分な配慮の下で可能となる。

●引き続き「観測可能な量」で分析する

停戦合意によって「タンカーによる原油積取業務が再開する」とは考えにくい。

この業務サイクルは基本的に月単位がベースです。5月積(出荷分)の中東原油を購入し VLCC(大型タンカー)で日本へ搬送するためには、バイヤーである石油会社は積月前月の4月中に具体的な積取数量、油種、Date Range(船積日=出荷港でのタンカーによる積取タイミング)等の諸条件についてセラーである産油国あるいはメジャーと交渉、調整を行なう必要がある。中東原油は FOB(本船渡契約)で取引されているため、バイヤーである石油会社が購入原油の輸送手段となるタンカーを手当し、セラー側と合意したDate Rangeに合わせて当該原油の出荷(積出)港へ配船する必要がある。

そうした原油積取業務が再開するためには、今回の停戦合意が最終的にどうなるか、もっと明確にならなければならない。現在は、ペルシャ湾-ホルムズ海峡の円滑な物流機能は損なわれています。

ICEブレントと「Platts Dated Brent
Dated Brentの高値、現物と先物の乖離は、北海での需要の強さを反映している。

202647日(火)
1        4月限  5月限  6月限   7月限  8月限
Dated Brent
   134.23  113.40  102.18   94.70  89.37
価格差     +24.96  +13.34  +9.41   +6.75  +4.43
1        6月限  7月限  8月限   9月限  10月限
ICE
ブレント   109.27  100.06  92.77   87.95  84.93

202646日(月)
1        4月限  5月限  6月限   7月限  8月限
Dated Brent
   133.26  113.44  101.72   93.78  88.37
価格差     +23.49  +13.32  +9.48   +6.82  +4.64
1        6月限  7月限  8月限   9月限  10月限
ICE
ブレント   109.77  100.12  92.24   86.96  83.73

202642日(木)
1        4月限  5月限  6月限   7月限  8月限
Dated Brent
   131.55  112.71  100.69   92.50  86.39
価格差     +22.52  +13.27  +9.26   +6.55  +3.85
1        6月限  7月限  8月限   9月限  10月限
ICE
ブレント   109.03  99.44  91.43   85.95  82.54

ICEブレントとDated Brentの推移
.       Dated Brent ICE Brent   Dated Brent  ICE Brent
日付        4月限    6月限      5月限    7月限

407日(火)   134.23   109.27     113.40   100.06
4
06日(月)   133.26   109.77     113.44   100.12

403日(金)   Good Friday
4
02日(木)     131.55   109.03     112.71    99.44
4
01日(水)   119.21   101.16     104.03    93.50
3
31日(火)   116.90   103.97     105.01    96.17
3
30日(月)   117.62   107.39     107.96   100.29

327日(金)   115.41   105.32     105.85    98.73
3
26日(木)   110.27   101.89     102.21    96.68

ICEブレントとプラッツドバイ原油
プラッツドバイ原油
日付       4月限   5月限   6月限   7月限   8月限   9月限  10月限
04/07
26)  119.053  102.373  93.702  88.840  85.625  83.941  82.548
04/06
26)  120.432  102.577  93.375  88.114  84.741  82.952  81.581

04/0326)  Good Friday
04/02
26)  117.251  101.989  93.262  87.595  84.041  82.137  80.662
03/31
26)  105.125  94.320  88.025  84.209  81.378  80.050  78.758

※価格差は「停戦合意」を受けて変動する可能性があるので、「410日」に向けた価格差の変化を調べます。

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〇現在、ペルシャ湾-ホルムズ海峡の円滑な物流機能は損なわれています。
〇安定供給が損なわれており、供給不足の懸念は継続している。
〇今回の戦争が終わっても「戦前に戻る」わけではない。
〇イランのホルムズ海峡の管理は「制度化」される可能性がある。
〇米国もそれに加わる可能性がある。
〇さまざまな可能性があるので、具体的にわかるまでには時間がかかる。

石油市場が「410日」に向けて、何を見てどう動くのか、それを調べます。


当社「日報」は、政治や軍事に関して何か言うことはありません。
しかし、「停戦」はあり得ないと思います。
イランは2023107日以降、2024年、2025年の「ガザ」の災禍を経験してきた。

ガザを通して「停戦」とはどういうものか、よくわかっている。
「停戦」があろうとなかろうと、ガザに対する攻撃と殺戮が止まることはなかった。
「停戦」がどういうものであるか、何であるか、ガザが教えています。

●観測可能な量で分析する
4
3日(金)以降、「Platts Dated Brent」を取り上げた。
勝手気儘な思惑を排し、できるかぎり観測可能な量を使いたいと思う。
何を計算するするにせよ「観測可能」な量のあいだの関係のみ、あるいは、現実には測定がむずかしいとしても、原理的には測定可能な量のあいだの関係を使って追求したいと考えています。

3月相場で、原油や石油製品の「安定供給」が市場テーマになった。
4
月相場では現物需給、その連鎖を具体的に分析しなければならなくなる。

現物市場の需給は、時間差で影響が顕在化してきます。
需給ひっぱくとコスト増が、時間差で拡大する可能性が高い。
今は持ちこたえていても後から効いてくる。
そのとき、現物市場から突き上げてくる可能性が高い。
「安定供給」を具体的に、各段階の需給とコストで考えなければならなくなります。

ICEブレント原油と「Platts Dated Brent
供給不足が深刻化すと、現物価格(Dated Brent)から突き上げてくる。
Dated Brent
の高騰は、北海での需要の強さを反映している。
それによって、現物と先物とのあいだで乖離がひろがる。

202646日(月)
1        4月限   5月限   6月限   7月限  8月限
Dated Brent
   133.26  113.44  101.72   93.78  88.37
価格差     +23.49  +13.32   +9.48   +6.82  +4.64
1        6月限   7月限   8月限   9月限  10月限
ICE
ブレント   109.77   100.12   92.24   86.96  83.73

202642日(木)
1        4月限   5月限   6月限   7月限  8月限
Dated Brent
   131.55  112.71  100.69   92.50  86.39
価格差     +22.52  +13.27   +9.26   +6.55  +3.85
1        6月限   7月限   8月限   9月限  10月限
ICE
ブレント   109.03   99.44   91.43   85.95  82.54

ICEブレント原油先物とDated Brentの価格差拡大
.       Dated Brent  ICE Brent   Dated Brent  ICE Brent
日付        4月限    6月限      5月限    7月限

406日(月)   133.26   109.77     113.44   100.12

4
03日(金)   Good Friday
4
02日(木)     131.55   109.03     112.71    99.44
4
01日(水)   119.21   101.16     104.03    93.50
3
31日(火)   116.90   103.97     105.01    96.17
3
30日(月)   117.62   107.39     107.96   100.29

327日(金)   115.41   105.32     105.85    98.73
3
26日(木)   110.27   101.89     102.21    96.68

ICEブレント原油とプラッツドバイ原油
供給不足が深刻化すと、現物価格から突き上げてくる。

プラッツドバイ原油
日付       4月限   5月限   6月限   7月限   8月限   9月限  10月限
04/07
26
04/06
26)  120.432  102.577  93.375  88.114  84.741  82.952  81.581

04/0326)  Good Friday
04/02
26)  117.251  101.989  93.262  87.595  84.041  82.137  80.662
03/31
26)  105.125  94.320  88.025  84.209  81.378  80.050  78.758

●アジア向け調整項
5
月のドバイとオマーンの平均値が「102ドル」なら、アラブライトの5月輸出価格(FOB)は「121.50ドル」、調整項(OSP)のかつてない引き上げになった。

サウジ原油のアジア向け本船渡し条件(FOB)は「ドバイ原油およびオマーン原油の1カ月間の平均値」に対する「各油種の調整項」で表示される。
油種         3月積み     4月積み     5月積み     前月比
スーパーライト  2.15ドル   4.15ドル  21.15ドル   +17.00ドル高
エキストラライト 1.00ドル   3.00ドル  20.00ドル   +17.00ドル高
ライト      ±0.00ドル   2.50ドル  19.50ドル   +17.00ドル高
ミディアム    1.25ドル   0.75ドル  17.75ドル   +17.00ドル高
ヘビー       2.60ドル   0.60ドル  16.40ドル   +17.00ドル高

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3月相場で、原油や石油製品の「安定供給」が市場テーマになった。
4
月相場では、現物市場の需給、その連鎖を具体的に分析しなければならなくなる。

現物市場の需給は、時間差で影響が顕在化してくるからです。
需給のひっぱくとコスト増が、時間差で拡大する可能性が高い。

今は持ちこたえていても後から効いてくる。
そのとき、現物市場から突き上げてくる可能性が高い。
「安定供給」を具体的に、各段階の需給とコストで考えなければならなくなります。

●本日47日(火)のプラッツドバイ原油の目安
プラッツドバイ原油 20264月限=「ブレント原油6月限 11.00ドル
プラッツドバイ原油 20265月限=「ブレント原油7月限  2.50ドル
プラッツドバイ原油 20266月限=「ブレント原油8月限  1.15ドル
プラッツドバイ原油 20267月限=「ブレント原油9月限  1.15ドル


アジア向けは、事前予想で「前月比+22.50+40.50ドル」引き上げられるとの見方があったが、サウジアラビアは様々なことを考えて、このあたりにしたと思います。それでも前例のない、過去最高水準の、マーカー原油に対する「調整項」です

※ドバイとオマーンの「5月一カ月間の平均値が102ドル」となる場合、アジア向け5月輸出価格(FOB)はアラブ・ライトで「121.50ドル」という価格フォーミュラです。

202646日(月)通知

アジア向け調整項
サウジ原油のアジア向け本船渡し価格(FOB)は「ドバイ原油およびオマーン原油の1カ月間の平均値」に対する「各油種の調整項」で表示される。
油種        3月積み     4月積み     5月積み     前月比
スーパーライト  2.15ドル   4.15ドル  21.15ドル  +17.00ドル高
エキストラライト 1.00ドル   3.00ドル  20.00ドル  +17.00ドル高
ライト      ±0.00ドル   2.50ドル  19.50ドル  +17.00ドル高
ミディアム    1.25ドル   0.75ドル  17.75ドル  +17.00ドル高
ヘビー       2.60ドル   0.60ドル  16.40ドル  +17.00ドル高

西ヨーロッパ向け調整項
サウジ原油の北西ヨーロッパ向けは「ブレント原油(ICE)」に対する調整項で表示される。
油種        3月積み     4月積み     5月積み     前月比
エキストラライト 0.95ドル   4.45ドル  29.45ドル  +25.00ドル高
ライト      0.65ドル   2.85ドル  27.85ドル  +25.00ドル高
ミディアム    1.45ドル   2.05ドル  27.05ドル  +25.00ドル高
ヘビー      3.85ドル   0.35ドル  24.65ドル  +25.00ドル高

米国向け調整項
米国向けは「ASCI」(米メキシコ湾岸地域で取引されるマーズ、ポセイドンおよびサザン・グリーンキャニオン原油の平均値)に対する調整項で表示される。
油種        3月積み     4月積み     5月積み     前月比
エキストラライト 3.95ドル   5.95ドル  15.95ドル  +10.00ドル高
ライト      2.10ドル   4.60ドル  14.60ドル  +10.00ドル高
ミディアム    1.40ドル   3.40ドル  13.40ドル  +10.00ドル高
ヘビー      0.65ドル   2.65ドル  12.65ドル  +10.00ドル高


本日42日(木)の「日報」(石油)について、本来予定していた順序でお伝えします。

【1】明日43日(金)はGood Fridayで休み

ICEブレント原油先物が休みです。
●ガルフ・マーカンタイル取引所(GME)のオマーン原油先物も休みです。
●シンガポールも休みです。プラッツ社によるドバイ原油スポット価格の査定もありません。

簡単に言えば、明日43日(金)の原油、石油製品市場は休みです。
本日は「イースター連休入り」前の相場です。
※英国バルチック海運指数は「43日(金)Good Friday」、46日(月)Easter Monday」で4連休です。

【2】4月相場における「ブレント/ドバイ」価格差

〇月替わりで、4月は始まったばかりです。目安を立てるにはまだ不安定です。
〇本格的には、45日(日)に予定している「5月調整項」を見てからになると思います。

現状で目安をつけるとすれば
プラッツドバイ原油4月限=「ブレント原油6月限+4ドル~7ドル」
プラッツドバイ原油5月限=「ブレント原油7月限+0.80ドル」
プラッツドバイ原油6月限=「ブレント原油8月限+0.20ドル」

ICEブレント原油期近20266月限「106ドル」であれば、プラッツドバイ原油当限4月限は「113ドル」の可能性がある。中東原油のアジア向け価格指標(ドバイ原油およびオマーン原油)は、中東原油の「安定供給」が損なわれているため、ブレント原油に対してプレミアムを形成します。

【3】イランによるホルムズ海峡の航行管理について

当社は、トランプ大統領が東京時間午前10時の演説で「イランによるホルムズ海峡支配」についてどのように言及するのか注目したが、結局「自画自賛」ばかりで何もなかった。

ホルムズ海峡「封鎖」ではない。
イランの管理下で航行が「制度化」される可能性がある。

イラン3月、ホルムズ海峡で「許可制航路」を導入した。
イランの重心は「封鎖」ではなく「ホルムズ海峡を管理下に置く」ことにある。

イスラム革命防衛隊(IRGC)主導で事前承認を受けた船舶のみを通過させる「許可制航路」を導入した。ララク島付近でIRGCおよび港湾当局の目視確認を受けたうえで通航している。

ホルムズ海峡の「通行料」
ホルムズ海峡通航の対価として約200万ドルが支払われたとのニュースがある。
従来の個別交渉から、登録・審査を伴う公式プロセスへの移行が伝えられている。
これまで観測されていた通航船舶の選別が「制度化された許可制航路と通行料」に移行する。インド、パキスタン、イラク、マレーシア、中国など複数の国がテヘランと直接交渉し、航行計画を調整している。

イランは米国やイスラエルから「戦時賠償」を受け取る可能性は低い。
イランが戦後復興予算を用意していくためには、ホルムズ海峡を管理下に置き、ホルムズ海峡を通航する船舶から「通行料」を徴収する、それを「制度化」する公算が大きい。

ホルムズ海峡通航条件に「通貨」が組み込まれる可能性
未確認の話ですが、イランが人民元建てで石油取引を行う国に対して通航を認める枠組みを検討しているというニュースもあった。複数の国がこの条件での通航確保に向けてイランと協議を進めているとのことで、決済通貨・取引形態が通航条件に加わる可能性が指摘されている。

イランと「湾岸協力会議」の対立
イランがホルムズ海峡を支配するとき、「湾岸協力会議」(GCC)のサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、バーレーン、クウェートなどとの対立が深まる。とくに、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアが容認するとは考えにくいので、ペルシャ湾岸全域で対立と緊張が激化する。

ホルムズ海峡は狭く浅く、船舶はイランの山岳地帯の至近距離を航行せざるを得ない。
これは回避・迎撃の時間が極めて限られ、護衛の難易度が高いことを意味する。

(ⅰ)浅瀬により航路は限定される
(ⅱ)船舶は回避行動を取りにくい
(ⅲ)高地からの視認・攻撃が可能
(ⅳ)島嶼部はミサイル等の発射拠点となる
(ⅴ)複雑な海岸線は小型艇の発進拠点となる

こうしたリスクはホルムズ海峡に限定されるものでなくペルシャ湾岸全域に拡大します。

今回の戦争が始まる前、ホルムズ海峡は180隻が通過していた。
護衛によってこれらの船舶すべてをカバーするのは難しい。
攻撃を1回受けただけでも信頼は崩壊する。

船主・船会社・保険会社が予想されるリスクを許容できるのか?

イランによるホルムズ海峡支配はサプライチェーンの再設計を突きつけている。
イランの管理下で航行が「制度化」される場合、各国はどのように対処するのか?
湾岸全域で対立と緊張が激化する可能性が高い。
原油、石油製品について、安定した航路と調達先を前提としてきた従来のサプライチェーンマネジメントは成り立たなくなっている。

ニューヨーク原油(WTI)とか、TOCOMのプラッツドバイ原油を見ると、原油や石油製品の「安定供給」について、ほとんど何も考えていないように思います。東京市場の株や商品は目の前のニュースに「短期バイアス」で追従している。

そして、今回のトランプ大統領の演説は、ホルムズ海峡について「投げ出した」印象を受けた。

当社では、原油や ナフサなど石油製品の安定供給が「簡単に回復する」とは考えていません。
これが「紅海」に連鎖すると、さらにむずかしくなります。

アジア向け中東原油の指標は、4月もプレミアムを形成すると思います。
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月第2週は「ブレント原油+50ドル」のブッ飛んだ価格(160-170ドル)になり、3月末にかけて激しく「調整」することになったが、4月相場ではそれを踏まえて「持続可能な構造」を模索すると思います。

当社は情勢を分析し、4月の価格形成の構造とパターンを追求します。


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