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中東原油の価格フォーミュラは2つの構成要素で成り立っています。
(ⅰ)市場価格(マーカー原油のスポット価格の1カ月間の平均値)
(ⅱ)調整項(産油国が油種ごとに決める)

アジア向け中東原油のマーカー原油はオマーン原油とドバイ原油。
オマーン原油の査定機関は「ガルフ・マーカンタイル取引所」(GME)、
ドバイ原油は「プラッツ社」。査定時間はGMT 08:30(東京時間午後530分)
査定機関による「1カ月間の平均値」が基準になりますが、これに産油国が決めた油種ごとの「調整項」を加減して輸出価格(本船渡し条件)が確定する。

サウジ原油のアジア向け5月積み輸出価格はこの価格フォーミュラの特徴がよく表れている。

(ⅰ)5月の市場価格は、GMEオマーン原油もプラッツドバイ原油も下落したが、
(ⅱ)サウジアラムコが「46日通知した5月積み調整項」が引き上げられていたので、
(ⅲ)アジア向け5月積み輸出価格は「前月比+14.356ドル高」となった。
(ⅳ)このあと65日頃に通知される「7月調整項」ではさらに引き下げの公算が大きい。

6月第1週の原油市場は「日報」(石油-2)で記します。

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20265月査定価格                     前月比
2026
5月 プラッツ・ドバイ原油の平均値       103.147ドル  -2.550ドル安
2026
5GMEオマーン原油マーカープライス平均値  101.996ドル  -2.739ドル安
2026
5月 ドバイおよびオマーン原油の平均値     102.572ドル  -2.644ドル安

サウジ原油 20265月積み アジア向け輸出価格(FOB
油種             平均値     調整項   輸出価格(本船渡し) 前月比
アラブ・スーパーライト   102.572ドル 21.15 123.722ドル   +14.356ドル高
アラブ・エキストラライト  102.572ドル 20.00 122.572ドル   +14.356ドル高
アラブ・ライト       102.572ドル 19.50 122.072ドル   +14.356ドル高
アラブ・ミディアム     102.572ドル 17.75 120.322ドル   +14.356ドル高
アラブ・ヘビー       102.572ドル 16.40 118.972ドル   +14.356ドル高

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20264月査定価格                     前月比
2026
4月 プラッツ・ドバイ原油の平均値       105.697ドル -22.827ドル安
2026
4GMEオマーン原油マーカープライス平均値  104.735ドル -19.313ドル安
2026
4月 ドバイおよびオマーン原油の平均値     105.216ドル -21.070ドル安

サウジ原油 20264月積み アジア向け輸出価格(FOB
油種             平均値     調整項   輸出価格(本船渡し) 前月比
アラブ・スーパーライト   105.216ドル + 4.15 109.366ドル   -19.070ドル安
アラブ・エキストラライト  105.216ドル + 3.00 108.216ドル   -19.070ドル安
アラブ・ライト       105.216ドル + 2.50 107.716ドル   -18.570ドル安
アラブ・ミディアム     105.216ドル + 0.75 105.966ドル   -19.070ドル安
アラブ・ヘビー       105.216ドル ― 0.60 104.616ドル   -19.070ドル安

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20263月査定価格                     前月比
20263月 プラッツ・ドバイ原油の平均値       128.524ドル +60.120ドル高
2026
3GMEオマーン原油マーカープライス平均値  124.048ドル +55.898ドル高
2026
3月 ドバイおよびオマーン原油の平均値     126.286ドル +58.009ドル

サウジ原油 20263月積み アジア向け輸出価格(FOB
油種             平均値     調整項   輸出価格(本船渡し) 前月比

アラブ・スーパーライト   126.286ドル + 2.15 128.436ドル   +58.209ドル高
アラブ・エキストラライト  126.286ドル + 1.00 127.286ドル   +58.209ドル
アラブ・ライト       126.286ドル + 0   126.286ドル   +57.709ドル
アラブ・ミディアム     126.286ドル ― 1.25 125.036ドル   +57.609ドル
アラブ・ヘビー       126.286ドル ― 2.60 123.686ドル   +57.609ドル高


原油相場は継続パターンで揉み合いです。

本日512日(火)のICEブレント原油先物が・・
ブレント原油20267月限「105.30ドル」
ブレント原油20268月限「101.45ドル」あたりのとき

プラッツドバイ原油 5月限 102.50ドル
プラッツドバイ原油 6月限 98.38ドル
  見当です。

為替(ドル円)は「日報」(為替)で先に送信しています。
512日(火)の想定レンジ「1㌦=157.55157.15156.75円」

ICEブレント原油先物 2026512日(火) 
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
07月限 2026  104.23
08月限 2026  100.60
09月限 2026  97.18
10月限 2026  94.15
11月限 2026  91.69
12月限 2026  89.63

ICEブレント原油先物 2026511日(月) 
限月      始値   高値   安値  帳入値  終値   前日比
07月限 2026  104.00  105.99  99.55  104.21  104.58  +4.33
08月限 2026  99.64  101.70  95.75  100.39  100.90  +4.40
09月限 2026  95.60  98.02  92.39  96.95  97.43  +4.12
10月限 2026  92.00  94.85  89.47  94.26  94.26  +3.72
11月限 2026  90.51  92.21  87.07  91.59  92.07  +3.76
12月限 2026  87.91  90.00  85.03  89.50  89.95  +3.68

●停戦について
レバノンのアウン大統領は511日(月)、米国に対​し、イスラエルに停戦に向け圧​力をかけるよう要​請した。イスラエルはレバノンで戦争をしている。ガザでやったことをレバノンで続けている。イスラエル占領下のヨルダン川西‌岸では、イスラエル人入植者によるパレスチナ人に対する暴力行為が増加。

欧州連合(EU)は511日(月)、ブリュッセルで開いた​外相会合で、占領下のヨルダン川西‌岸での暴力行為への関与が疑われるイスラエル人入植者3人、入​植者関連団体4組織のほか、イスラム組織ハマス​の幹部を対象にした新たな制裁措置​について合意した。

米国とイスラエルは228日、共同してイランに対する戦争を開始した。そのあとイスラエルはレバノンでも戦争を継続している。「停戦」は名ばかりです。

●重要 カタールLNGがホルムズ海峡を通過
カター​ルからの液化天然ガス(LNG)輸出は世界全体の約20%。その輸出先の8割強を中国、日本、インド、韓国、パキスタンなどアジア地域が占めていた。228日に米国とイスラエルによるイランへの共同攻撃が始まってすぐ、カタール国営のカタールエナジーは3月4日、世界最大のLNG輸出プラント「ラス​ラファン」がイランから攻撃を受けて生産停止となり「不可抗力宣言」を発した。

そのカタールのLNG510日、戦争が始まって以降はじめてホルムズ海峡を通過した。

ブルームバーグの記事
(1)カタール国営のカタール・エナジーが運航するLNGタンカー「アル・ホライティヤット」が510日、カタール産LNG9.5万トンを積載してホルムズ海峡を通過し、同船は現在、パキスタンに接近している。

(2)ペルシャ湾内にはカタール産LNGを積んだタンカー2隻があり、いずれも目的地はパキスタンを示している。2月下旬にカタールの「ラスラファン」で積み込みを行ったLNG船「ミヘゼム」は511日、イランが管轄権を主張するホルムズ海峡内の海域へ向かっていたが、その後、進路を変更して引き返した。ただ、目的地は引き続きパキスタンを示している。

イラク、クウェート、カタールなど湾岸諸国とイスラム革命防衛隊
サウジアラビアにはホルムズ海峡を回避できる代替輸送経路がある。東西パイプライン(日量700万バレル)を利用し、サウジアラビア西部の紅海沿岸ヤンブー(Yanbu)から原油を輸出することができる。しかし、イラク、クウェート、カタールなど湾岸諸国は、ホルムズ海峡が閉鎖されると主要輸出ルートから遮断される。今回の「カタールの液化天然ガス(LNG)を積載してパキスタンに向かうLNG船がホルムズ海峡を通過した」というニュースは、イラン、パキスタン、カタールのあいだで交渉が行われていることを表している。

パキスタンはアシム・ムニール陸軍元帥の経路で、イスラム革命防衛隊(IRGC)と交渉。
カタールはその独自のルートで、イスラム革命防衛隊(IRGC)と交渉している可能性が高い。
そうした交渉を繰り返していけば「ホルムズ海峡の秩序とパターン」が形成されるようになる。

(ⅰ)イランによるホルムズ海峡の管理下で、(ⅱ)カタール産の液化天然ガス(LNG)がパキスタン向けに供給されることは(ⅲ)イランによるホルムズ海峡管理の実績作りになる。「ホルムズ海峡閉鎖の長期化」は、イランの実績作りにつながる可能性が高い。その意味で、カタールLNG船のホルムズ海峡通過は大きなニュースだと思います。

●ブレント原油とプラッツドバイ原油の2番限価格差
プラッツドバイ原油20266月限
日付   ICEブレント原油8月限  プラッツドバイ原油6月限

5/12(火)   101.45ドル
5/11(月)   100.39ドル      97.323ドル     3.067ドル

5/08(金)    97.57ドル      93.942ドル     3.628ドル
5/07
(木)    96.38ドル      92.816ドル     3.564ドル
5/06
(水)    97.08ドル      94.068ドル     3.012ドル
5/05
(火)   104.89ドル     102.797ドル     2.093ドル
5/04(月)   107.92ドル     104.000ドル     3.920ドル

5/01(金)   101.91ドル      97.596ドル     4.314ドル
4/30
(木)   103.39ドル     100.568ドル     2.822ドル
4/29
(水)   103.48ドル     100.968ドル     2.512ドル
4/28
(火)    98.83ドル      96.888ドル     1.942ドル
4/27
(月)    96.76ドル      95.519ドル     1.241ドル

4/24(金)    94.28ドル      93.701ドル     0.579ドル
4/23(木)    94.57ドル      93.988ドル     0.582ドル
4/22
(水)    91.83ドル      91.084ドル     0.746ドル
4/21
(火)    89.46ドル      88.212ドル     1.248ドル
4/20
(月)    87.20ドル      86.257ドル     0.943ドル

4/17(金)    83.86ドル      83.068ドル     0.792ドル
4/16(木)    89.83ドル      90.057ドル     0.227ドル
4/15
(水)    88.02ドル      88.127ドル     0.107ドル
4/14
(火)    87.32ドル      87.582ドル     0.262ドル
4/13
(月)    89.78ドル      90.653ドル     0.873ドル

4/10(金)    86.82ドル      87.512ドル     0.692ドル
4/09(木)    86.55ドル      87.863ドル     1.313ドル
4/08
(水)    86.52ドル      87.358ドル     0.838ドル
4/07
(火)    92.77ドル      93.702ドル     0.932ドル
4/06(月)    92.24ドル      93.375ドル     1.135ドル


最初に説明の文章を入力してから、本日511日(月)の想定価格を記します。

3月相場と45月相場の違い

「日本経済新聞」などオールドメディアは、トランプの「停戦」や「ホルムズ海峡」をめぐって「あ~でもない、こ~でもない」と繰り返している。

しかし、当社「日報」はそれとは異なります。
原油の「3月相場」と「45月相場」の違いに焦点をあてています。
当業者が「安定供給」についてボンヤリとした議論をしているわけがない。

当社「日報」は、当初の「中東原油のスポット価格のプレミアム」から「サプライチェーンの見直し」、そして「その強靭(きょうじん)化」として分析してきています。「原油高」と言っても、3月と5月では、構造とパターンが異なります。

●サウジアラムコ

228日に米国とイスラエルによるイランへの共同攻撃が始まった。
3
10日には、サウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」は以下の対応に着手した。
サウジアラビアは、トランプに振り回されるよりも「あらたな供給体制へ移行」を急いだ。

Argus Media310日、サウジアラムコのAmin Nasser最高経営責任者(CEO)に取材した。当社は311日の「日報」でそれを紹介した。

310日時点のサウジアラムコの対応(Argus Mediaの取材)

(ⅰ)ホルムズ海峡が閉鎖されると、世界の石油市場と経済が「壊滅的な結果」に直面する。

(ⅱ)イラクやクウェート等、世界有数の産油国が主要輸出ルートから遮断されている。

(ⅲ)貯蔵施設の急速な満杯化により、一部はすでに生産量の削減を余儀なくされている。

(ⅳ)サウジアラビアも、イランによる中東湾岸のエネルギーインフラへの攻撃で複数の沖合油田を閉鎖し、減産を開始した。

(ⅴ)サウジアラムコはサファニヤ油田(Safaniya)、マルジャン油田(Marjan)、ズルフ油田(Zuluf)、アブサファ油田(Abu Safa)を閉鎖し、生産量は日量200万~250万バレル減少と見込まれた。サファニヤ油田(Safaniya)はアラブ・ヘビー(重質油種)を生産し、マルジャン油田(Marjan)、ズルフ油田(Zuluf)、アブサファ油田(Abu Safa)はアラブ・ミディアム(中質油種)を生産していた。

(ⅵ)その一方で、サウジアラムコは日量700万バレルの東西パイプラインを利用し、サウジアラビアの紅海沿岸ヤンブー(Yanbu)へ原油を輸送し、ホルムズ海峡を回避できる代替輸送経路に切り替えた。

(ⅶ)アラブ・ライト、アラブ・エキストラライトなど主力の軽質油種をサウジアラビア西部のヤンブー(Yanbu)に供給。サウジアラムコのAmin Nasser最高経営責任者(CEO)は、国内外の貯蔵能力も活用して顧客への供給を支援しており、需要の大部分を満たしていると述べた。

これが310日のインタビューであった。
サウジアラムコは今回の戦争が始まってすぐにその供給体制を切り替えた。
ペルシャ湾岸の戦争とホルムズ海峡の閉鎖を受け、複数の油田を閉鎖するとともに、日量700万バレルの東西パイプラインを利用してホルムズ海峡を回避できる代替輸送経路で紅海沿岸ヤンブー(Yanbu)から原油を供給している。

わが国メディアは「ホルムズ海峡」や「停戦」をめぐって、3月、4月、5月と2カ月以上も「あ~でもない、こ~でもない」と、従来のサプライチェーンに依存した議論を繰り返している。しかし、サウジアラビアは戦争が始まって10日後に「あたらしい供給体制」にシフトしている。
われわれは、メディアの「報道」よりも、現実を見ることが大切です。

●中東原油のスポット価格のプレミアム

米国とイスラエルによるイラン攻撃によって、中東原油の「安定供給」が崩れた。
従来の「安定した航路と調達先」を前提としたサプライチェーンマネジメントは成立しなくなった。当初は、中東原油の「安定供給」が損なわれたことで、中東原油にプレミアムを乗せて買い争った。

しかし、スポット価格のプレミアムが高騰したのは319日まで。323日を過ぎると中東原油のプレミアムは急速に縮小した。

現在の5月相場は「原油高」と言っても、3月のようにドバイ原油「155ドル」や「166ドル」に高騰しているわけではない。5月相場においてアジア向け中東原油の指標は「ブレント原油に対してディスカウント」に転落しています。3月と5月では、価格形成の構造とパターンが異なります。

3月のアジア向け中東原油の価格指標GMEオマーン原油マーカープライス)
3/20
(金)2026   157.94ドル  (ブレント5月限 50.32ドル
3/19
(木)2026   166.96ドル  (ブレント5月限 52.60ドル
3/18
(水)2026   153.12ドル  (ブレント5月限 50.37ドル
3/17
(火)2026   152.58ドル  (ブレント5月限 48.61ドル
3/16
(月)2026   147.79ドル  (ブレント5月限 42.22ドル

3/13(金)2026   144.36ドル  (ブレント5月限 42.74ドル
3/12(木)2026   134.75ドル  (ブレント5月限 37.05ドル
3/11
(水)2026   118.73ドル  (ブレント5月限 28.96ドル
3/10
(火)2026   114.85ドル  (ブレント5月限 23.66ドル
3/09
(月)2026   124.68ドル  (ブレント5月限 17.31ドル

3/06(金)2026   100.31ドル  (ブレント5月限 14.53ドル
3/05
(木)2026   94.47ドル  (ブレント5月限 10.43ドル
3/04
(水)2026   85.93ドル  (ブレント5月限 1.84ドル
3/03
(火)2026   82.09ドル  (ブレント5月限 1.32ドル
3/02
(月)2026   80.40ドル  (ブレント5月限 0.55ドル

サウジアラムコは軽質原油を中心に紅海沿岸ヤンブー(Yanbu)に原油を移送し、ホルムズ海峡を回避できる代替輸送経路を確立している。アジアの石油精製会社は、中東から離れて、あらたに世界全体でサプライチェーンの形成に邁進している。「大西洋」やと「北米」の原油指標がリードするようになった。「原油高」と言っても、3月と5月では構造が異なります。3月下旬以降の「サプライチェーンの見直し」は、5月において「その強靭(きょうじん)化」を目指しています。

●中東原油の価格基準

繰り返し言うと、「原油高」と言っても3月と5月では、その構造と秩序が異なります。

ドバイ原油のスポット価格は、31カ月間の平均値が「128.524ドル」であったが、4月の1カ月間の平均値は「105.697ドル」に大幅に下落した。

20264月査定価格とサウジ原油
20264月査定価格
2026
4月 プラッツ・ドバイ原油の平均値       105.697ドル -22.827ドル安
2026
4GMEオマーン原油マーカープライス平均値  104.735ドル -19.313ドル
2026
4月 ドバイおよびオマーン原油の平均値     105.216ドル -21.070ドル

サウジ原油 20264月積み アジア向け輸出価格(FOB
油種            平均値    調整項   輸出価格(本船渡し)
アラブ・スーパーライト   105.216ドル + 4.15 109.366ドル  -19.070ドル
アラブ・エキストラライト  105.216ドル + 3.00 108.216ドル  -19.070ドル
アラブ・ライト       105.216ドル + 2.50 107.716ドル  -18.570ドル安
アラブ・ミディアム     105.216ドル + 0.75 105.966ドル  -19.070ドル安
アラブ・ヘビー       105.216ドル ― 0.60 104.616ドル  -19.070ドル安

20263月査定価格とサウジ原油
20263月査定価格
2026
3月 プラッツ・ドバイ原油の平均値       128.524ドル +60.120ドル高
2026
3GMEオマーン原油マーカープライス平均値  124.048ドル +55.898ドル高
2026
3月 ドバイおよびオマーン原油の平均値     126.286ドル +58.009ドル高

サウジ原油 20263月積み アジア向け輸出価格(FOB
油種            平均値    調整項   輸出価格(本船渡し)
アラブ・スーパーライト   126.286ドル + 2.15 128.436ドル  +58.209ドル高
アラブ・エキストラライト  126.286ドル + 1.00 127.286ドル  +58.209ドル高
アラブ・ライト       126.286ドル + 0   126.286ドル  +57.709ドル高
アラブ・ミディアム     126.286ドル ― 1.25 125.036ドル  +57.609ドル高
アラブ・ヘビー       126.286ドル ― 2.60 123.686ドル  +57.609ドル高

「日本経済新聞」はこの変化を理解することができない。
5
2日(土)の朝刊では次のように伝えた。「北海ブレントに対して35ド㌦ほどドバイ原油が安い状況が続ている。中東の供給制約が原油価格を押し上げている局面で、中東指標が割安という不自然な状況だ。市場関係者からは『しばらくするとドバイ原油が上昇する可能性がある』との声もあがる。」

日本経済新聞の分析は「ホルムズ海峡」と「従来のサプライチェーン」に依存している。この2カ月の進歩がない。いまだに「ブレント原油に対する中東原油のプレミアム」に固執している。しかし、石油企業の焦点は中東から離れ、「サプライチェーン全体の見直し」から「その強靭化」に移っています。

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本日511日(月)のICEブレント原油先物が・・
ブレント原油20267月限「104.55ドル」
ブレント原油20268月限「100.70ドル」あたりのとき

プラッツドバイ原油 5月限 101.55ドル
プラッツドバイ原油 6月限 97.10ドル

ブレント原油とプラッツドバイ原油の2番限価格差
4月から5月原油相場は「大西洋」や「北米」が牽引しています。
3
月相場のような「中東原油のプレミアム」がリードしているわけでない。
ブレント原油2番限8月限「100.70ドル」であれば、プラッツドバイ原油2番限6月限「97.10ドル」見当です。

プラッツドバイ原油20266月限
日付   ICEブレント原油8月限  プラッツドバイ原油6月限

5/08(金)    97.57ドル      93.942ドル     3.628ドル
5/07
(木)    96.38ドル      92.816ドル     3.564ドル
5/06
(水)    97.08ドル      94.068ドル     3.012ドル
5/05
(火)   104.89ドル     102.797ドル     2.093ドル
5/04(月)   107.92ドル     104.000ドル     3.920ドル

5/01(金)   101.91ドル      97.596ドル     4.314ドル
4/30
(木)   103.39ドル     100.568ドル     2.822ドル
4/29
(水)   103.48ドル     100.968ドル     2.512ドル
4/28
(火)    98.83ドル      96.888ドル     1.942ドル
4/27
(月)    96.76ドル      95.519ドル     1.241ドル

4/24(金)    94.28ドル      93.701ドル     0.579ドル
4/23(木)    94.57ドル      93.988ドル     0.582ドル
4/22
(水)    91.83ドル      91.084ドル     0.746ドル
4/21
(火)    89.46ドル      88.212ドル     1.248ドル
4/20
(月)    87.20ドル      86.257ドル     0.943ドル

4/17(金)    83.86ドル      83.068ドル     0.792ドル
4/16(木)    89.83ドル      90.057ドル     0.227ドル
4/15
(水)    88.02ドル      88.127ドル     0.107ドル
4/14
(火)    87.32ドル      87.582ドル     0.262ドル
4/13
(月)    89.78ドル      90.653ドル     0.873ドル

4/10(金)    86.82ドル      87.512ドル     0.692ドル
4/09(木)    86.55ドル      87.863ドル     1.313ドル
4/08
(水)    86.52ドル      87.358ドル     0.838ドル
4/07
(火)    92.77ドル      93.702ドル     0.932ドル
4/06(月)    92.24ドル      93.375ドル     1.135ドル


サウジアラムコはアジア向け「6月調整項」を引き下げた。
(ⅰ)3月下旬から4月の「中東原油のスポット価格のプレミアム低下」、(ⅱ)サプライチェーンの見直しで「中東原油に対する需要後退」、こうした原油市場の構造と秩序の変化を反映している。

【1】原油相場の構造と秩序の変化
米国とイスラエルによるイラン攻撃によって、価格形成の構造とパターンが変化した。
安定した航路と調達先を前提とした従来のサプライチェーンマネジメントは成立しなくなった。

3月相場
中東原油の「安定供給」が崩れたことで、319日にかけては、中東原油の価格指標は「ブレント原油+50ドル超」のプレミアムに高騰した。オマーン原油やドバイ原油のスポット価格は「1バレル166ドル台」にハネ上げた。

しかし、323日を過ぎると価格形成のパターンは変化した。
中東原油のスポット価格のプレミアムは急速に縮小した。
いつまでも「米イラン戦争の終結を期待し、ホルムズ海峡の再開を待つ」では、経済活動が成り立たなくなる。アジア主要国の石油精製会社は3月下旬には、サウジアラビア西岸「ヤンブー」からの罪み出しに切り替え、さらに中東以外の「大西洋」や「北米」などの調達先に、サプライチェーン全体を見直した。

4月相場
4
月に入るとサプライチェーンの見直しが本格化し、「大西洋」や「北米」が台頭した。
中東から離れて、あらたに世界全体で「強靭なサプライチェーン」を形成することになった。
4
月相場で中東原油は大幅安となり、スポット価格のプレミアムがディスカウントに転落した。

全世界にあらたな調達先、航路を求めて、到着予定日、在庫予想などを再設計して行くにつれて、3月相場で高騰した中東原油のプレミアムは剥がれ落ち、420日以降はディスカウントに転落した。サプライチェーンの再編が進展したことによって、原油相場の構造と秩序も大きく変化した。原油相場は「大西洋」と「北米」の原油指標がリードしており、「中東原油」はそれに対してディスカウントを広げている。

5月相場
中東原油のスポット価格のディスカウントが続くと想定しています。

●「日本経済新聞」について
「日本経済新聞」は、中東原油の4月相場が大幅下落になったことを認識できない。5月になっても「様子見と従来依存」で、中東原油のプレミアムを想定している。「日本経済新聞」は52日(土)、「北海ブレントに対して35ド㌦ほどドバイ原油が安い状況が続ている。中東の供給制約が原油価格を押し上げている局面で、中東指標が割安という不自然な状況だ。市場関係者からは『しばらくするとドバイ原油が上昇する可能性がある』との声もあがる。」と伝えた。

【2】サウジアラムコ「20266月調整項」下げ
55日(火)通知。

アジア向け調整項
サウジ原油のアジア向け本船渡し価格(FOB)は「ドバイ原油およびオマーン原油の1カ月間の平均値」に対する「各油種の調整項」で表示される。
油種        4月積み    5月積み    6月積み    前月比
スーパーライト  4.15ドル 21.15ドル 17.15ドル  -4.00ドル安
エキストラライト 3.00ドル 20.00ドル 16.00ドル  -4.00ドル安
ライト      2.50ドル 19.50ドル 15.50ドル  -4.00ドル安
ミディアム    0.75ドル 17.75ドル 13.75ドル  -4.00ドル安
ヘビー       0.60ドル 16.40ドル 12.40ドル  -4.00ドル安

西ヨーロッパ向け調整項
サウジ原油の北西ヨーロッパ向けは「ブレント原油(ICE)」に対する調整項で表示される。
油種        4月積み    5月積み    6月積み    前月比
エキストラライト 4.45ドル 29.45ドル 27.45ドル  -2.00ドル安
ライト      2.85ドル 27.85ドル 25.85ドル  -2.00ドル安
ミディアム    2.05ドル 27.05ドル 25.05ドル  -2.00ドル安
ヘビー      0.35ドル 24.65ドル 22.65ドル  -2.00ドル安

米国向け調整項
米国向けは「ASCI」(米メキシコ湾岸地域で取引されるマーズ、ポセイドンおよびサザン・グリーンキャニオン原油の平均値)に対する調整項で表示される。
油種        4月積み    5月積み    6月積み    前月比
エキストラライト 5.95ドル 15.95ドル 15.95ドル   unch
ライト      4.60ドル 14.60ドル 14.60ドル   unch
ミディアム    3.40ドル 13.40ドル 13.40ドル   unch
ヘビー      2.65ドル 12.65ドル 12.65ドル   unch


国際指標のブレント原油期近が、たとえば「1ドル」動いたからといって、オマーン原油やドバイ原油が同じ値幅を動くわけではない。

4月のオマーン原油、ドバイ原油の1カ月間の平均値は、3月査定価格から大幅安となった。

20264月査定価格                     確定値     前月比
2026
4月 プラッツ・ドバイ原油の平均値       105.697ドル -22.827ドル安
2026
4月 GMEオマーン原油マーカープライス平均値  104.735ドル -19.313ドル安
2026
4月 ドバイおよびオマーン原油の平均値     105.216ドル -21.070ドル安

データを見ながら、1カ月間の動きを確認します。

GMEオマーン原油
GMEオマーン原油6月限の41カ月間の平均値は「104.735ドル」(3月比 -19.313ドル安)
3
月相場で「中東原油のプレミアム」が相場上昇をリードしたが、4月相場では中東原油がディスカウントに転落した。原油相場のリード役は「大西洋」や「北米」に移行した。

GMEオマーン原油6月限のマーカープライス
東京時間午後530分の査定価格
日付   ICEブレント原油6月限  GMEオマーン原油6月限マーカープライス

4/30(木)   121.27ドル     111.44ドル     9.83ドル
4/29
(水)   114.75ドル     104.87ドル     9.88ドル
4/28
(火)   110.65ドル     103.41ドル      7.24ドル
4/27
(月)   108.20ドル     102.37ドル     5.83ドル

4/24(金)   106.68ドル     106.53ドル     0.15ドル
4/23(木)   103.28ドル     104.79ドル     1.51ドル
4/22
(水)    99.72ドル      99.26ドル     0.46ドル
4/21
(火)    94.70ドル      92.01ドル     2.69ドル
4/20
(月)    95.89ドル      97.51ドル    1.62ドル

4/17(金)    98.50ドル     101.91ドル     3.41ドル
4/16(木)    96.42ドル     101.25ドル     4.38ドル
4/15
(水)    95.12ドル     100.99ドル     5.87ドル
4/14
(火)    98.56ドル     102.92ドル     4.36ドル
4/13
(月)   102.13ドル     105.83ドル     3.70ドル

4/10(金)    97.53ドル     100.19ドル     2.66ドル
4/09(木)    98.02ドル     101.88ドル     3.86ドル
4/08
(水)    95.48ドル      99.06ドル     3.58ドル
4/07
(火)   110.43ドル     119.31ドル     8.88ドル
4/06(月)   108.89ドル     118.72ドル     9.83ドル

●プラッツドバイ原油
プラッツドバイ原油1番限4月限の1カ月間の平均値は「105.697ドル」(-22.827ドル安)
ドバイ原油2番限5月限も、ブレント原油7月限に対するディスカウント幅を拡大させた。
ブレント原油7月限とドバイ原油5月限の価格差を見ると、本日51日(金)のプラッツドバイ原油2026年5月限は「ブレント原油7月限-5.95ドル」あたりで始まる公算が大きい。

プラッツドバイ原油20265月限
日付   ICEブレント原油7月限  プラッツドバイ原油5月限

4/30(木)   110.40ドル     104.436ドル    5.964ドル
4/29
(水)   110.44ドル     105.957ドル     4.483ドル
4/28
(火)   104.40ドル     101.453ドル     2.947ドル
3/27
(月)   101.69ドル     100.349ドル     1.341ドル

4/24(金)    99.13ドル      98.190ドル     0.940ドル
4/23(木)    99.35ドル      98.038ドル     1.312ドル
4/22
(水)    96.18ドル      94.250ドル     1.930ドル
4/21
(火)    93.24ドル      90.332ドル     2.908ドル
4/20
(月)    90.43ドル      87.841ドル     2.589ドル

4/17(金)    86.51ドル      84.669ドル     1.841ドル
4/16(木)    93.57ドル      93.355ドル     0.215ドル
4/15
(水)    90.81ドル      91.502ドル    0.692ドル
4/14
(火)    90.42ドル      90.964ドル     0.544ドル
4/13
(月)    93.47ドル      94.667ドル     1.197ドル

4/10(金)    90.28ドル      90.765ドル     0.485ドル
4/09(木)    90.47ドル      91.883ドル     1.413ドル
4/08
(水)    90.26ドル      90.723ドル     0.463ドル
4/07
(火)   100.06ドル     102.373ドル     2.313ドル
4/06(月)   100.12ドル     102.577ドル     2.457ドル

●仮説と検証 強靭なサプライチェーンの構築
米国のイスラエルによるイラン攻撃によって、安定した航路と調達先を前提とした従来のサプライチェーンマネジメントは成り立たなくなった。

323日あたりまでは「中東原油のプレミアム」が原油相場をリードした。
しかし、3月下旬から4月相場になると「中東原油のプレミアム」を軸にした相場は失速する。
メディア報道は相変わらず、「ホルムズ海峡の封鎖」「オマーン湾の逆封鎖」や「米イラン協議」「停戦」を伝えているが、石油会社の焦点は「中東から離れた」と思います。

いつまでも「ホルムズ海峡の再開」を待っているわけにはいかない。ホルムズ海峡の通航再開には相当の時間がかかる。船舶保険の引受再開、船社・船長の安全判断、港湾・燃料補給体制の回復など、さまざまな条件がそろわなければならない。もはや戦争前の状態には戻らない。

テーマは中東から離れて、全世界に調達先を求め、輸送ルート、サプライチェーン全体の見直しに移った。4月相場で、オマーン原油やドバイ原油が失速し、それに代わって「大西洋」や「北米」の指標原油が上昇した。

東京のTOCOMプラッツドバイ原油は3月のときのような期近からプレミアムを上積みする力はすでに失い、国際指標のブレント原油先物に対してディスカウントで追随している。

当社は「価格形成の構造とパターン」を追求しています。4月相場で進展した「あたらしいサプライチェーン」の形成は、5月相場でも「強靭なサプライチェーン」として引き継ぎます。価格形成の構造と秩序の変化を視野に入れて臨みます。

アジア市場の査定時間は東京時間午後530分、午後630分に本日の査定価格を更新します。


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