(1)
当社は「米イラン協議」について、「プロレスの興行」のようなものと考えてきた。
「場外乱闘」や「反則技」もあるかもしれないが、それによって「中止」になることはない。
その観点から6月から7月の月替わりでブレント原油9月限「71.55-79.70ドル」を想定した。
ブレント原油9月限「70.76-71.55ドル」にサポートがあるとお伝えした。
そのあと、7月中旬~下旬について「71.55-79.70ドル」レンジでは狭すぎるので、
7月9日(木)の「日報」で、ブレント原油9月限「71.55-82.25ドル」に拡張した。
※考え方をおおざっぱに記したもので、数字の厳密さを主張するものではない。
(2)
本日7月14日(火)の意見
ブレント原油9月限「71.55-82.25ドル」を据え置きます。
このあとも興行が続くなら、戻した上値は買う必要がないと思います。
今週の3~4日間は見るつもりです。
米国とイランについて、確かめなければならないことがある。
目標値と想定レンジの引き上げについては慎重であるべきだと考えています。
当社は、トランプ大統領について、イランに対し一歩も引けないところに追い詰められたように見える。トランプが、ここで一歩でも引けば、ホルムズ海峡はイランのものになる。
トランプは、ホルムズ海峡をイランに与えた大統領になる。
それを避けようと空爆や海上封鎖を実施しても、トランプが求めるような譲歩をイランから引き出すのはむずかしい。
限定的な範囲を超えた大幅なエスカレーションは、全面戦争の懸念がある。
戦争を本格再開しても、トランプがこの戦争から何を得られるのか不透明です。
イランは将来の交渉に向けて、橋頭堡を築くことが目標になる。
当社はこれまで、米イラン双方ともに「終わりの見えない経済的消耗」と「政治的な不確実性」は避けようとする。「米イラン協議」について「プロレスの興行」のようなものと考えてきた。
今週の3~4日間は目標値と想定レンジを変更せず、様子を見るつもりです。
(3)
トランプ大統領は7月13日(月)、ホルムズ海峡付近においてイランの港湾に出入りする船に対する海上封鎖を再開し、同海峡を通過するすべての貨物について20%の対価を受け取ると発表した。
海上封鎖は米東部時間7月14日午後4時(日本時間15日午前5時)から実施する。
トランプは自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で「米国は今後『ホルムズ海峡の守護者』として知られることになるが、公平を期すため、この非常に不安定な地域に安全と治安を提供する任務の遂行に必要なあらゆる費用のため、すべての輸送貨物について20%の割合で対価を受ける」と表明。「そのプロセスと仕組みの形成は直ちに始まる」と付け加えた。
イランのアッバス・アラグチ外相はこのトランプの発言を次のように評価した。「米大統領は完全に正しい。ホルムズ海峡で商船の安全航行を確保する者は誰であれ、そのサービスへの対価を受け取るべきだ。」
アラグチ外相は続けて「イランは常に海峡の守護者だったし、これからも永遠にそうあり続ける。」そして「20%はもちろん高過ぎる。私たちは公平に対応する」と付け足した。
イラン軍最高司令部ハタム・アル・アンビヤは、米国がホルムズ海峡の「管理に干渉する」ことは許さないと表明していた。同司令部のイブラヒム・ゾルファガリ報道官は、イランメディアが報じた声明で、同海峡における米国の「度重なる冒険主義と悪意ある行動」が「地域の安全保障、国際貿易、石油タンカーや商船の航行を深刻な危険にさらしている」と主張。米国とのいかなる協力も、イランの主権に対する「戦争」行為とみなされるとし、紛争が拡大すれば「戦争の炎は地域全体の国々を巻き込むことになる」と警告した。
7月13日(月)のトランプ大統領の「ホルムズ海峡制圧」「20%徴収」の声明が何を意味すのか不明です。
ロイター通信によると、国際海事機関(IMO)の報道官は「IMOは国際航行に利用される海峡の通過料徴収に断固として反対する」と述べた。そして「単に海峡を通過するためだけに義務的な通行料を導入する法的根拠は一切ない」と付け加えた。
プロレスラーがののしり合っているように見える。
ホルムズ海峡の支配権をめぐる米国とイランの争いは、両国の戦争終結の取り組みを頓挫させる可能性があるが、一歩も引けないところに追い詰めていると思います。イランは将来の交渉に向けて、橋頭堡を築くために何でもする公算が大きい。
(4)
米国とイランの覚書(MoU)と協議が、このあとも続いて行くなら、ブレント9月限「71.55-82.25ドル」予想の基本を据え置きます。このあとも興行が続くなら、戻した上値を買う必要はないと思います。
しかし、この点は今週の3~4日間様子を見て、確認します。
ペルシャ湾岸諸国からなんらかの動きがあると思います。