カテゴリ:原油相場 > 調整項

サウジアラムコは各国顧客に20263月積み調整項を通知した。
(ⅰ)アジア向けは軽質油種を小幅に引き上げ、中・重質油種を引き下げた。
(ⅱ)1月相場で、アジア向け中東産原油の価格指標がブレント原油に対しディスカウントを拡大させて下げたのも、中東産の中質、重質油種の需給が緩んでいた可能性が高い。

202626日(金)通知
サウジアラムコ、20263月「調整項」

アジア向け調整項
サウジ原油のアジア向け本船渡し価格(FOB)は「ドバイ原油およびオマーン原油の1カ月間の平均値」に対する「各油種の調整項」で表示される。
油種        1月積み    2月積み    3月積み    前月比
スーパーライト  2.15ドル  1.95ドル  2.15ドル  +0.20ドル高
エキストラライト 1.10ドル  0.80ドル  1.00ドル  +0.20ドル高
ライト      0.60ドル  0.30ドル  ±0.00ドル  -0.30ドル安
ミディアム    0.55ドル  0.85ドル  1.25ドル  -0.40ドル安
ヘビー       1.90ドル  2.20ドル  2.60ドル  -0.40ドル安

西ヨーロッパ向け調整項
サウジ原油の北西ヨーロッパ向けは「ブレント原油(ICE)」に対する調整項で表示される。
油種        1月積み    2月積み    3月積み    前月比
エキストラライト 1.65ドル  1.25ドル  0.95ドル  -0.30ドル安
ライト      0.05ドル  0.35ドル  0.65ドル  -0.30ドル安
ミディアム    0.75ドル  1.15ドル  1.45ドル  -0.30ドル安
ヘビー      3.15ドル  3.55ドル  3.85ドル  -0.30ドル安

米国向け調整項
米国向けは「ASCI」(米メキシコ湾岸地域で取引されるマーズ、ポセイドンおよびサザン・グリーンキャニオン原油の平均値)に対する調整項で表示される。
油種        1月積み    2月積み    3月積み    前月比
エキストラライト 4.45ドル  4.05ドル  3.95ドル  -0.10ドル安
ライト      2.50ドル  2.20ドル  2.10ドル  -0.10ドル安
ミディアム    2.10ドル  1.70ドル  1.40ドル  -0.30ドル安
ヘビー      1.35ドル  0.95ドル  0.65ドル  -0.30ドル安

サウジアラムコ、20262月「調整項」
202616日(火)通知

アジア向け調整項
サウジ原油のアジア向け本船渡し価格(FOB)は「ドバイ原油およびオマーン原油の1カ月間の平均値」に対する「各油種の調整項」で表示される。
油種        12月積み    1月積み    2月積み    前月比
スーパーライト  2.35ドル  2.15ドル  1.95ドル  -0.20ドル安
エキストラライト 1.30ドル  1.10ドル  0.80ドル  -0.30ドル安
ライト      1.00ドル  0.60ドル  0.30ドル  -0.30ドル安
ミディアム    0.05ドル  0.55ドル  0.85ドル  -0.30ドル安
ヘビー       1.30ドル  1.90ドル  2.20ドル  -0.30ドル安

西ヨーロッパ向け調整項
サウジ原油の北西ヨーロッパ向けは「ブレント原油(ICE)」に対する調整項で表示される。
油種        12月積み    1月積み    2月積み    前月比
エキストラライト 2.95ドル  1.65ドル  1.25ドル  -0.40ドル安
ライト      1.35ドル  0.05ドル  0.35ドル  -0.30ドル安
ミディアム    0.55ドル  0.75ドル  1.15ドル  -0.40ドル安
ヘビー      1.85ドル  3.15ドル  3.55ドル  -0.40ドル安

米国向け調整項
米国向けは「ASCI」(米メキシコ湾岸地域で取引されるマーズ、ポセイドンおよびサザン・グリーンキャニオン原油の平均値)に対する調整項で表示される。
油種        12月積み    1月積み    2月積み    前月比
エキストラライト 5.15ドル  4.45ドル  4.05ドル  -0.40ドル安
ライト      3.20ドル  2.50ドル  2.20ドル  -0.30ドル安
ミディアム    2.90ドル  2.10ドル  1.70ドル  -0.40ドル安
ヘビー      2.25ドル  1.35ドル  0.95ドル  -0.40ドル安

サウジアラムコは125日(金)、20261月積み調整項を引き下げた。
重質油種で下げ幅を拡大した。

アジア向け調整項
サウジ原油のアジア向け本船渡し価格(FOB)は「ドバイ原油およびオマーン原油の1カ月間の平均値」に対する「各油種の調整項」で表示される。
油種        11月積み   12月積み    1月積み    前月比
スーパーライト  3.55ドル  2.35ドル  2.15ドル  -0.20ドル安
エキストラライト 2.50ドル  1.30ドル  1.10ドル  -0.20ドル安
ライト      2.20ドル  1.00ドル  0.60ドル  -0.40ドル安 ●
ミディアム    1.45ドル  0.05ドル  0.55ドル  -0.60ドル安 ●
ヘビー       0.10ドル  1.30ドル  1.90ドル  -0.60ドル安 ●

●サウジアラムコの「20261月調整項」引き下げについて
日本経済新聞など大手メディアは、サウジアラムコの翌月分の調整項について、将来の需給予想、あるいは価格予想のように伝える。

「日本経済新聞」
調整項の引き上げ=原油需給がタイト(供給不足)=原油高
調整項の引き下げ=原油需給が緩和   (供給過剰)=原油安

しかし、調整項は将来の需給予想や 先行きの価格予想ではない。
サウジアラムコは、過去1カ月間の動向に基づき、来月の調整項を決める。

202591カ月間の動向に基づき、202511月積みの調整項を決める。
2025
101カ月間の動向に基づき、202512月積みの調整項を決める。
2025
111カ月間の動向に基づき、20261月積みの調整項を決める。

今回、20261月調整項下げは、先月11月の動向を反映したものです。

(ⅰ)先月11月の1カ月間のドバイ原油スポットのプレミアム
.   中東原油のアジア向け指標は、プレミアムが縮小した。
(ⅱ)軽質油種、重質油種の動向
.   202510月下旬、クウェートのアルズール製油所の二次装置で火災。
.   その影響でクウェートの重質油種390万バレルが11月の輸出向けに出荷された。

したがって、当社では、クウェートのアルズール製油所の火災でクウェート国内の重質原油の処理量が減少し、輸出市場に向けて重質油の供給が増加し、11月のスポット価格が下落したことを反映したのが、今回の20261月調整項と考えています。

11月末のロイターの事前調査と比較して、軽質油種が小幅、重質油種の下げが大きくなった。

油種           12月調整項 11月末のロイター予想 20261月調整項
アラブ・スーパーライト   2.35               2.15ドル
アラブ・エキストラライト  1.30   0.90 ~ +1.00   1.10ドル
アラブ・ライト       1.00   0.60 ~ +0.70   0.60ドル
アラブ・ミディアム     0.05   0.40 ~ -0.35   0.55ドル
アラブ・ヘビー       1.30   1.80 ~ -1.70   1.90ドル

サウジアラムコの調整項引き下げは、過去1カ月間の動向を基にしています。
今月から来月の「将来の原油価格の下落」を意味するわけではない。
中東産油国の国内製油所の原油処理量が拡大し、稼働率が上昇すれば、輸出市場に余分に供給されることはない。将来に向けて変化します。

※本年10月から11月の原油相場は、「トランプとロシア・プーチンがにぎる」という思惑で原油売りが続いてきた。原油売りはトランプ大統領が目指している「秩序」に連動しています。

サウジアラムコは116日(木)、アジア向け12月調整項をほぼ事前予想通り引き下げた。

アジア向け調整項
サウジ原油のアジア向け本船渡し価格(FOB)は「ドバイ原油およびオマーン原油の1カ月間の平均値」に対する「各油種の調整項」で表示される。
油種         10月積み   11月積み   12月積み    前月比
スーパーライト   3.55ドル  3.55ドル  2.35ドル  -1.20ドル安
エキストラライト  2.50ドル  2.50ドル  1.30ドル  -1.20ドル安
ライト       2.20ドル  2.20ドル  1.00ドル  -1.20ドル安
ミディアム     1.75ドル  1.45ドル  0.05ドル  -1.40ドル安
ヘビー        0.40ドル  0.10ドル  1.30ドル  -1.40ドル安

西ヨーロッパ向け調整項
サウジ原油の北西ヨーロッパ向けは「ブレント原油(ICE)」に対する調整項で表示される。
油種         10月積み   11月積み   12月積み     前月比
エキストラライト  4.15ドル  2.95ドル  2.95ドル     unch
ライト       2.55ドル  1.35ドル  +1.35ドル     unch
ミディアム     1.75ドル  0.55ドル  0.55ドル     unch
ヘビー       0.65ドル  1.85ドル  1.85ドル     unch

米国向け調整項
米国向けは「ASCI」(米メキシコ湾岸地域で取引されるマーズ、ポセイドンおよびサザン・グリーンキャニオン原油の平均値)に対する調整項で表示される。
油種         10月積み   11月積み   12月積み     前月比
エキストラライト  6.15ドル  5.65ドル  5.15ドル  -0.50ドル安
ライト       4.20ドル  3.70ドル  3.20ドル  -0.50ドル安
ミディアム     3.90ドル  3.40ドル  2.90ドル  -0.50ドル安
ヘビー       3.25ドル  2.75ドル  2.25ドル  -0.50ドル安

●アジア向け調整項引き下げ、ロイター予想と比較

油種           11月調整項  12月ロイター予想   12月調整項
アラブ・スーパーライト   3.55              2.35ドル
アラブ・エキストラライト  2.50   1.00 1.30  1.30ドル
アラブ・ライト       2.20   0.70 1.00  1.00ドル
アラブ・ミディアム     1.45   0.05 ~ +0.25  0.05ドル
アラブ・ヘビー       0.10   1.30 ~ -1.10  1.30ドル

サウジアラビアは20101月から、米国向け原油輸出の価格フォーミュラを変更する。
アーガスのASCIArgus Sour Crude Index)を採用する。

新たな価格指標の採用について
これまで米国産WTI原油のスポット取引価格に連動させていた価格フォーミュラを、同国のメキシコ湾岸地域で活発に取引されるマーズ原油、ポセイドン原油およびサザン・グリーンキャニオン原油の平均価格に連動するものに変更した。

それまでのWTI連動フォーミュラでは米国Platts社が発表するWTI現物価格を指標としていたが、新たな価格フォーミュラではArgus Mediaが発表する上記3油種の平均価格インデックスであるASCIArgus Sour Crude Index)を指標として採用する。つまり、サウジアラビアは今回のフォーミュラ改訂で、指標とする原油種だけでなく、指標を提供する査定機関も同時に変更した。

ASCIの要素となる3油種は、世界最大の原油消費国である米国で最も活発に取引される原油種であり、他の油種と比較して生産者の数も取引参加者の数も多いと言われている。このため、ASCIは生産地が限られているWTIよりも、現物原油の需給を色濃く反映すると考えられる。さらに、3油種の生産地が分散していることから、局地的な自然災害など対する価格の弾力性も高い。

また、生産拠点が分散しているということは、特定の生産者の恣意が及びにくい。加えて、ASCIを構成する3油種の生産には、OPECやその他の主要な産油国による増減産の影響が及ばない。さらに、ASCIを構成する3油種は、硫黄分の多いサワー原油であるのに対し、WTIは硫黄含有量の少ないスウィート原油である。サウジ産を含む中東原油のほとんどがサワー原油である。

サウジアラビアによるフォーミュラ改訂は、指標となる原油種が変更された以上に、算定方法の異なる指標が採用されたという点で大きな意味を持つ。

これまで利用されていたPlattsによるWTI現物価格は、一般に「マーケット・オン・クローズ(MOC)」という手法で決定されている。MOCとは、査定機関が独自に定めた30分程度の時間のなかで希望販売価格と希望買取価格を集め、同時間が終了する時点に最も近いタイミングで行なわれた約定価格をその日の価格とする手法。極めて短時間のサンプリング調査である上、たった一件の約定がその日の指標を決定するため、指標を意図的な水準に導くための取引が行われる危険性がある。

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