2025年10月

米農務省発表があることで、市場参加者の共通認識が保てる。共通した認識で交渉ができる。米農務省発表は、長い目で見ればトレンドを表す。それが現在では、そうしたコンセンサスが不透明になっており、一部には、勝手気儘(かってきまま)な思惑もある。

今日は1027日(月)。米国の収穫は終わりに近づいている。イリノイでは10月下旬の寒冷前線通過で、断続的に雨が降った。8月が11月になった」ような気象に変化した。最低気温が5℃、日中の最高気温が13℃。しかし、報告を見ると、雨の影響で収穫が中断することはなかった。大豆の収穫はほぼ終了し、トウモロコシの収穫も終わりに近づいている。83日に弱気が思惑したような「大豊作」ではないが、8月以降の降雨不足などで反収(たんしゅう)のバラツキがあってもそれなりの収量になったと推測しています。現状の農産物価格では、肥料等の投入コストの上昇、そして、高額になった農業機械によって、米国生産者の利益率は低下している可能性が高い。

米中対立の緩和期待が底流しているが、2022年のような中国の米国産大量購入には戻らないと考えています。ブラジル大豆やトウモロコシが割高のFOBプレミアムになっていても、中国は米国農産物のリスクを回避するため、南米産で数量を確保するだろう。そして、ブラジルなどは、世界の農産物需要が増加しているので、大豆およびトウモロコシの作付面積を増やす。ブラジルの作付けは進捗しており、2026相場はすでに始まっています。

中国は南米産で数量を確保しているので、米国産に比較して南米産のFOB価格が高い。南米産が中国向け主体になった。その結果、スペインなどが米国産にシフトしている。ブラジルでは、トウモロコシのエタノール需要が増加し、国内消費も拡大している。

米国など主要国の農業はおカネのかかるものになった。肥料等の投入コストの上昇し、そして、さまざまな農業機械は著しく高額になった。現状の農産物価格では利益率が低下しているので、農家は大豆収穫後に冬小麦を作付けし、大豆と小麦を合わせて収益を確保しなければならない。2025年産の収穫は、2026年の始まりでもある。10月相場のもみ合いは「2026年相場の模索」

10月相場のもみ合いは、2026年相場の模索と考えています。

●米国小麦3市場
小麦相場はボトム形成

20251024日(金)
シカゴ(CBOT)軟質小麦 カンザスシティー(KCBT)硬質小麦 ミネアポリス(MGE)春小麦
12
月限  512'50  -0.50    501'50  +1.50       557'00  -1.00
03
月限  528'00  -0.25    518'25  +0.50       574'75  -1.25
05
月限  538'75   unch    531'75  +1.00       587'50  -2.00
07月限  550'00  +0.50    545'50  +1.00       600'50  -2.25

CBOTトウモロコシ先物
10月相場の揉み合いは「2026年相場の模索」

CBOTトウモロコシ  収穫期の揉み合いレンジ
202512月限      4.31 ~ 4.17
2026
03月限      4.48 ~ 4.34
2026
05月限      4.57 ~ 4.45
2026
07月限      4.64 ~ 4.51

●米国農産物先物の相場表
米国現地20251024日(金)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2025 501'50 +1'50  512'50 -0'50  423'25 -4'75  11月限 1041'75 -3'00
03月限 2026 518'25 +0'50  528'00 -0'25  437'00 -4'25  01月限 1060'25 -1'75
05月限 2026 531'75 +1'00  538'75  unch  445'75 -3'50  03月限 1073'50 -1'75
07月限 2026 545'50 +1'00  550'00 +0'50  452'25 -3'00  05月限 1085'75 -1'75

米国現地20251023日(木)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2025 500'00 +11'50  513'00 +9'25  428'00 +5'00  11月限 1044'75 +10'00
03
月限 2026 517'75 +10'50  528'25 +8'75  441'25 +5'50  01月限 1062'00 +12'00
05
月限 2026 530'75 +10'25  538'75 +8'50  449'25 +5'75  03月限 1075'25 +12'25
07
月限 2026 544'50 +9'50  549'50 +8'25  455'25 +5'25  05月限 1087'50 +12'00

米国現地20251022日(水)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2025 488'50 +3'50  503'75 +3'50  423'00 +3'25  11月限 1034'75 +4'00
03月限 2026 507'25 +2'25  519'50 +3'00  435'75 +2'00  01月限 1050'00 +1'50
05月限 2026 520'50 +1'75  530'25 +2'50  443'50 +1'75  03月限 1063'00 +0'25
07月限 2026 535'00 +1'75  541'25 +1'75  450'00 +1'75  05月限 1075'50 -0'25

米国現地20251021日(火)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2025 485'00 -5'00  500'25 -4'50  419'75 -3'50  11月限 1030'75 -1'00
03月限 2026 505'00 -4'50  516'50 -5'00  433'75 -3'25  01月限 1048'50 -1'50
05月限 2026 518'75 -4'25  527'75 -5'25  441'75 -3'50  03月限 1062'75 -1'25
07月限 2026 533'25 -4'25  539'50 -4'75  448'25 -3'25  05月限 1075'75 -1'50

●米政府機関閉鎖、消費者物価指数(CPI)のデータ集計の問題
9
月米消費者物価指数(CPI)は1024日(金)に公表された。
通常なら1015日発表であったが、米政府機関閉鎖の影響で1024日(金)にズレた。
データ集計が不十分であっても、1024日(金)に発表することになった。

消費者物価指数(CPI)は、金融政策や社会政策にとって重要な指標である。社会保障局は2026年生計費調整の算出などに利用し、米FRBは金融政策運営の手掛かりのひとつにする。

消費者物価のデータは月を通して収集される。しかし、米労働省労働統計局(BLS)は予算・人員削減に対応するため、一部地域で部分的にデータ収集を停止している。今回のCPI発表では、データ収集の半分以上が欠落していると言われた。データ収集に制約があったことからCPIの「質」を懸念する声があった。しかし、データ集計が不十分であっても、1024日(金)に発表することになった。

それは来月も継続する可能性がある。ホワイトハウスは、10CPIが来月に発表されない可能性が高いことを把握したと発表。「調査員を現場に派遣できないため、来月にインフレ指標が発表されない可能性が高いことを知った。これは歴史上初めてであり、政策担当者や市場から重要なデータが失われ、経済破綻のリスクがある」とした。

●今回9CPIの特徴
米労働省労働統計局(BLS)は1024日(金)、9月の消費者物価指数(CPI)を発表した。
前年比で3.0%上昇し、前月は2.9%上昇だった。
市場予想を小幅に下回った。
9月は航空運賃や宿泊料金、中古車・トラックなどの値上げペースが鈍化した。

 変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年比は3.0%上昇、前月は3.1%上昇だった。
コアCPIの上昇鈍化は、家賃インフレの鎮静化によるものとみられている。

輸入関税の転嫁は緩やかに推移したが、それでも衣料品の価格は0.7%、家電製品は0.8%、家具・寝具は0.9%上昇した。企業は雇用を削減することで関税全額の価格転嫁を控えているという。多くの企業は関税導入前の在庫と低いマージンでコスト圧力を吸収してきたが、こうしたバッファーは徐々に失われつつある。

高齢者などの在宅介護サービスの費用が上昇した。サービスは移民労働への依存度が高い。高齢者などの在宅介護費用は前月比7.0%上昇、前年比11.6%上昇。ガーデニング・芝生管理サービスは前年比13.9%上昇、自動車修理費用は11.5%上昇した。トランプ政権による移民取り締まりがこれらのサービスの価格上昇につながっているとみられている。

米連邦準備制度理事会(FRB)は1028日(火)-1029日(水)に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイントの利下げをおこなうと予想されている。

●米国の消費者物価指数(CPI
米労働省労働統計局(BLS)発表
月次        前年同月比   コア指数(エネルギー食品を除く)

09月(2025)     3.0%       3.0% 上昇
08
月(2025)     2.9%       3.1
07
月(2025)     2.7%       3.1
06
月(2025)     2.7%       2.9
05
月(2025)     2.4%       2.8

04月(2025)     2.3%       2.8
03
月(2025)     2.4%       2.8
02
月(2025)     2.8%       3.1
01
月(2025)     3.0%       3.3
以下、省略

サウジアラビアは20101月から、米国向け原油輸出の価格フォーミュラを変更する。
アーガスのASCIArgus Sour Crude Index)を採用する。

新たな価格指標の採用について
これまで米国産WTI原油のスポット取引価格に連動させていた価格フォーミュラを、同国のメキシコ湾岸地域で活発に取引されるマーズ原油、ポセイドン原油およびサザン・グリーンキャニオン原油の平均価格に連動するものに変更した。

それまでのWTI連動フォーミュラでは米国Platts社が発表するWTI現物価格を指標としていたが、新たな価格フォーミュラではArgus Mediaが発表する上記3油種の平均価格インデックスであるASCIArgus Sour Crude Index)を指標として採用する。つまり、サウジアラビアは今回のフォーミュラ改訂で、指標とする原油種だけでなく、指標を提供する査定機関も同時に変更した。

ASCIの要素となる3油種は、世界最大の原油消費国である米国で最も活発に取引される原油種であり、他の油種と比較して生産者の数も取引参加者の数も多いと言われている。このため、ASCIは生産地が限られているWTIよりも、現物原油の需給を色濃く反映すると考えられる。さらに、3油種の生産地が分散していることから、局地的な自然災害など対する価格の弾力性も高い。

また、生産拠点が分散しているということは、特定の生産者の恣意が及びにくい。加えて、ASCIを構成する3油種の生産には、OPECやその他の主要な産油国による増減産の影響が及ばない。さらに、ASCIを構成する3油種は、硫黄分の多いサワー原油であるのに対し、WTIは硫黄含有量の少ないスウィート原油である。サウジ産を含む中東原油のほとんどがサワー原油である。

サウジアラビアによるフォーミュラ改訂は、指標となる原油種が変更された以上に、算定方法の異なる指標が採用されたという点で大きな意味を持つ。

これまで利用されていたPlattsによるWTI現物価格は、一般に「マーケット・オン・クローズ(MOC)」という手法で決定されている。MOCとは、査定機関が独自に定めた30分程度の時間のなかで希望販売価格と希望買取価格を集め、同時間が終了する時点に最も近いタイミングで行なわれた約定価格をその日の価格とする手法。極めて短時間のサンプリング調査である上、たった一件の約定がその日の指標を決定するため、指標を意図的な水準に導くための取引が行われる危険性がある。

↑このページのトップヘ