【1】国際原油取引の指標
【比較】前回の安値と今回の安値
トランプ大統領が前回5月5日(水)~5月8日(金)と同じことを繰り返しているのなら、
今回の下げも「5月6、7日安値が見当」です。
(ⅰ)期近「2026年7月限」は明日28日(金)が最終取引日[納会]です。
. 納会直前の「2026年7月限」は目安にならない。
(ⅱ)商いの基準は「2番限2026年8月限」に移行しています。
. 5月6日安値 5月7日安値 5月25日安値 5月27日安値
ICEブレント07月限 96.75 96.03 95.95 94.13
ICEブレント08月限 92.93 92.29 93.21 91.75
ICEブレント09月限 89.36 89.08 90.63 89.26
ICEブレント10月限 86.38 86.30 88.23 87.00
ICEブレント11月限 83.90 84.02 86.26 85.14
ICEブレント12月限 81.85 82.11 84.36 83.53
【2】情勢は継続
昨日のロイターは、イラン国営テレビで「米との覚書草案、ホルムズ海峡再開と封鎖解除盛り込む」と伝えた。何か進展があったかのように伝えたが、目あたらしいものはなかった。
米国とイラン、双方がこれまでと同じ主張を繰り返している。
(ⅰ)国営テレビによると、軍用艦船(米軍の航行)は対象外。
(ⅱ)イランがオマーンと協力して海峡の船舶通航を管理する。
(ⅲ)イラン側は具体的な検証なしにいかなる措置も講じない。
(ⅳ)最終合意が60日以内にまとまれば、拘束力のある国連安全保障理事会の決議として承認される可能性がある。
ホワイトハウスはイラン国営テレビが報じた覚書草案について「完全なねつ造だ」と否定した。
普通、常識的に考えて、イランが交渉でホルムズ海峡を手放すことなどありえない。
仮に、イランがホルムズ海峡を開放しても、米国とイスラエルによるイラン港湾の封鎖は「イランの体制崩壊」まで「理由をつけて」継続する。イスラエルによるレバノン攻撃とヨルダン川西岸等の入植も続く。イランが交渉でそんな取引をするとは考えられない。
【3】下値の目安と「次の攻防」について
ICEブレント原油2026年8月限は「92ドル台」が下値の見当。
そのあとブレント原油8月限は「96.30-40ドル」に向けて戻す可能性が高い。
原油相場は4月から5月、サプライチェーンの再設計と強靭化が進展している。
「巡航速度の継続パターン」であれば下記の値段が「次の攻防」になると思います
おおざっぱな目安
. 下値の見当 5月6日安値 5月7日安値 次の攻防
ICEブレント原油2026年7月限は、5月29日(金)が納会[最終取引日]。
ICEブレント07月限 96.75 96.03 → 99.30-99.40ドル
ICEブレント08月限 92.93 92.29 → 96.30-96.40ドル
ICEブレント09月限 89.36 89.08 → 93.30-93.40ドル
ICEブレント10月限 86.38 86.30
ICEブレント11月限 83.90 84.02
ICEブレント12月限 81.85 82.11
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ブレント原油は当社の想定に沿って「次の攻防」に向けて上昇するとしても、
われわれが対象にしているのは「ICEブレント原油」そのものでなく、わが国石油会社の購入原油価格の基準です。オマーン原油やドバイ原油を考えなければならない。
アジア向け中東原油の予想は、ブレント原油よりむずかしい。
【4】ICEブレント原油と「プラッツドバイ原油」の価格差
現在の原油相場は「ホルムズ海峡の閉鎖=中東原油のひっぱく」を買っているわけではない。
5月末の中東原油は「ディスカウント」に売り叩かれています。
「日本経済新聞」などは「ホルムズ海峡の閉鎖=中東原油のひっぱく」「中東原油のプレミアム」という連想で報道していますが、実際の中東原油のスポット価格は大幅なディスカウントです。
現在の5月末の中東原油のディスカウントが長期にわたって持続するとは考えにくい。
5月相場のディスカウント、アジア査定時間(GMT08:30)の価格差
日付 ICEブレント原油7月限 GMEオマーン原油7月限 価格差
5月29日(金)
5月28日(木)
5月27日(水) 96.69ドル 92.39ドル -4.30ドル
5月26日(火) 99.32ドル 95.57ドル -3.75ドル
5月25日(月) 99.40ドル 95.56ドル -3.84ドル
5月22日(金)
105.46ドル 103.60ドル -1.85ドル
5月21日(木) 105.70ドル
102.95ドル -2.75ドル
5月20日(水) 109.79ドル
105.96ドル -3.85ドル
5月19日(火) 110.33ドル
106.45ドル -3.88ドル
5月18日(月) 110.37ドル
107.37ドル -3.00ドル
CMEのデータで「ICEブレント原油とプラッツドバイ原油の価格差」が拡大している。
プラッツドバイ原油2番限6月限はブレント原油8月限に対して「-6ドルのディスカウント」です。かつてこのようなことはなかった。
プラッツドバイ原油(CMEのデータ)
2026年5月27日(水)
ICEブレント原油 プラッツドバイ原油 価格差
07月限 94.29ドル 05月限月間平均値 102.123ドル
08月限 92.25ドル 06月限 86.198ドル -6.052ドル
09月限 90.00ドル 07月限 84.362ドル -5.638ドル
10月限 87.86ドル 08月限 82.868ドル -4.992ドル
11月限 86.03ドル 09月限 81.880ドル -4.150ドル
12月限 84.44ドル 10月限 81.049ドル -3.391ドル
なぜ、5月相場で、中東原油がこれほどのディスカウントに叩かれているのか?
原油相場は4月から5月、サプライチェーンの再設計と強靭化が進展している。
(ⅰ)アジア主要国は、中東から離れ、全世界から安定供給を確保するためサプライチェーンの見直し、その再設計とその強靭化に邁進している。
(ⅱ)それとともに中東原油のスポット価格のプレミアムが消えた。
(ⅲ)中東原油は4-5月相場で「ディスカウント」に転落した。
しかし、5月相場の「-3ドル」「-4ドル」のディスカウントは適切か?
5月相場で、中東原油をこれほどのディスカウントに叩き売る理由が不明です。
「サウジアラムコの調整項との関連かな」と思ったりしますが、明確なことはわからない。
「ブレント/ドバイ」の価格差の予想はむずかしいですが、「-4ドル」「-5ドル以上」のディスカウントは長期にわたって持続するとは考えにくい。
来週から6月相場です。
ICEブレント原油2026年8月限と「プラッツドバイ原油6月限」の価格差が「-6ドル」で推移するのか? それが将来の推定の基準になるのか? この問題をチェックします。
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5月相場の中東原油のディスカウントは、3月相場のプレミアムと対照的です。
3月相場では「ホルムズ海峡の閉鎖=中東原油の安定供給に懸念」でプレミアムを買った。
3月相場における中東原油のプレミアムが、現在の5月相場では、大幅なディスカウントに転落している。持続可能性の観点からチェックします。
2026年3月はプレミアム、現在の5月はディスカウントです。
日付 ICEブレント原油5月限 GMEオマーン原油5月限 価格差
3/25(水)2026 98.26ドル
109.55ドル (ブレント5月限 +11.29ドル)
3/24(火)2026 101.89ドル
139.64ドル (ブレント5月限 +37.75ドル)
3/23(月)2026 114.08ドル 160.20ドル (ブレント5月限 +50.32ドル)
3/20(金)2026 107.62ドル
157.94ドル (ブレント5月限 +50.32ドル)
3/19(木)2026 114.36ドル
166.96ドル (ブレント5月限 +52.60ドル)
3/18(水)2026 102.75ドル
153.12ドル (ブレント5月限 +50.37ドル)
3/17(火)2026 103.97ドル
152.58ドル (ブレント5月限 +48.61ドル)
3/16(月)2026 105.57ドル 147.79ドル (ブレント5月限 +42.22ドル)
3/13(金)2026 101.62ドル
144.36ドル (ブレント5月限 +42.74ドル)
3/12(木)2026 97.70ドル
134.75ドル (ブレント5月限 +37.05ドル)
3/11(水)2026 89.77ドル 118.73ドル (ブレント5月限 +28.96ドル)
3/10(火)2026 91.19ドル
114.85ドル (ブレント5月限 +23.66ドル)
3/09(月)2026 107.37ドル
124.68ドル (ブレント5月限 +17.31ドル)
3/06(金)2026 85.78ドル 100.31ドル (ブレント5月限 +14.53ドル)
3/05(木)2026 84.02ドル 94.47ドル (ブレント5月限 +10.43ドル)
3/04(水)2026 84.09ドル 85.93ドル (ブレント5月限 + 1.84ドル)
3/03(火)2026 80.77ドル 82.09ドル (ブレント5月限 + 1.32ドル)
3/02(月)2026 79.85ドル 80.40ドル (ブレント5月限 + 0.55ドル)
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