本日42日(木)の「日報」(石油)について、本来予定していた順序でお伝えします。

【1】明日43日(金)はGood Fridayで休み

ICEブレント原油先物が休みです。
●ガルフ・マーカンタイル取引所(GME)のオマーン原油先物も休みです。
●シンガポールも休みです。プラッツ社によるドバイ原油スポット価格の査定もありません。

簡単に言えば、明日43日(金)の原油、石油製品市場は休みです。
本日は「イースター連休入り」前の相場です。
※英国バルチック海運指数は「43日(金)Good Friday」、46日(月)Easter Monday」で4連休です。

【2】4月相場における「ブレント/ドバイ」価格差

〇月替わりで、4月は始まったばかりです。目安を立てるにはまだ不安定です。
〇本格的には、45日(日)に予定している「5月調整項」を見てからになると思います。

現状で目安をつけるとすれば
プラッツドバイ原油4月限=「ブレント原油6月限+4ドル~7ドル」
プラッツドバイ原油5月限=「ブレント原油7月限+0.80ドル」
プラッツドバイ原油6月限=「ブレント原油8月限+0.20ドル」

ICEブレント原油期近20266月限「106ドル」であれば、プラッツドバイ原油当限4月限は「113ドル」の可能性がある。中東原油のアジア向け価格指標(ドバイ原油およびオマーン原油)は、中東原油の「安定供給」が損なわれているため、ブレント原油に対してプレミアムを形成します。

【3】イランによるホルムズ海峡の航行管理について

当社は、トランプ大統領が東京時間午前10時の演説で「イランによるホルムズ海峡支配」についてどのように言及するのか注目したが、結局「自画自賛」ばかりで何もなかった。

ホルムズ海峡「封鎖」ではない。
イランの管理下で航行が「制度化」される可能性がある。

イラン3月、ホルムズ海峡で「許可制航路」を導入した。
イランの重心は「封鎖」ではなく「ホルムズ海峡を管理下に置く」ことにある。

イスラム革命防衛隊(IRGC)主導で事前承認を受けた船舶のみを通過させる「許可制航路」を導入した。ララク島付近でIRGCおよび港湾当局の目視確認を受けたうえで通航している。

ホルムズ海峡の「通行料」
ホルムズ海峡通航の対価として約200万ドルが支払われたとのニュースがある。
従来の個別交渉から、登録・審査を伴う公式プロセスへの移行が伝えられている。
これまで観測されていた通航船舶の選別が「制度化された許可制航路と通行料」に移行する。インド、パキスタン、イラク、マレーシア、中国など複数の国がテヘランと直接交渉し、航行計画を調整している。

イランは米国やイスラエルから「戦時賠償」を受け取る可能性は低い。
イランが戦後復興予算を用意していくためには、ホルムズ海峡を管理下に置き、ホルムズ海峡を通航する船舶から「通行料」を徴収する、それを「制度化」する公算が大きい。

ホルムズ海峡通航条件に「通貨」が組み込まれる可能性
未確認の話ですが、イランが人民元建てで石油取引を行う国に対して通航を認める枠組みを検討しているというニュースもあった。複数の国がこの条件での通航確保に向けてイランと協議を進めているとのことで、決済通貨・取引形態が通航条件に加わる可能性が指摘されている。

イランと「湾岸協力会議」の対立
イランがホルムズ海峡を支配するとき、「湾岸協力会議」(GCC)のサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、バーレーン、クウェートなどとの対立が深まる。とくに、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアが容認するとは考えにくいので、ペルシャ湾岸全域で対立と緊張が激化する。

ホルムズ海峡は狭く浅く、船舶はイランの山岳地帯の至近距離を航行せざるを得ない。
これは回避・迎撃の時間が極めて限られ、護衛の難易度が高いことを意味する。

(ⅰ)浅瀬により航路は限定される
(ⅱ)船舶は回避行動を取りにくい
(ⅲ)高地からの視認・攻撃が可能
(ⅳ)島嶼部はミサイル等の発射拠点となる
(ⅴ)複雑な海岸線は小型艇の発進拠点となる

こうしたリスクはホルムズ海峡に限定されるものでなくペルシャ湾岸全域に拡大します。

今回の戦争が始まる前、ホルムズ海峡は180隻が通過していた。
護衛によってこれらの船舶すべてをカバーするのは難しい。
攻撃を1回受けただけでも信頼は崩壊する。

船主・船会社・保険会社が予想されるリスクを許容できるのか?

イランによるホルムズ海峡支配はサプライチェーンの再設計を突きつけている。
イランの管理下で航行が「制度化」される場合、各国はどのように対処するのか?
湾岸全域で対立と緊張が激化する可能性が高い。
原油、石油製品について、安定した航路と調達先を前提としてきた従来のサプライチェーンマネジメントは成り立たなくなっている。

ニューヨーク原油(WTI)とか、TOCOMのプラッツドバイ原油を見ると、原油や石油製品の「安定供給」について、ほとんど何も考えていないように思います。東京市場の株や商品は目の前のニュースに「短期バイアス」で追従している。

そして、今回のトランプ大統領の演説は、ホルムズ海峡について「投げ出した」印象を受けた。

当社では、原油や ナフサなど石油製品の安定供給が「簡単に回復する」とは考えていません。
これが「紅海」に連鎖すると、さらにむずかしくなります。

アジア向け中東原油の指標は、4月もプレミアムを形成すると思います。
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月第2週は「ブレント原油+50ドル」のブッ飛んだ価格(160-170ドル)になり、3月末にかけて激しく「調整」することになったが、4月相場ではそれを踏まえて「持続可能な構造」を模索すると思います。

当社は情勢を分析し、4月の価格形成の構造とパターンを追求します。