4月から5月はサプライチェーンの再設計と強靭化が進展している。
このため「巡航速度の継続パターン」です。
3月のように「中東原油のプレミアム」を買っているわけではない。
3月中東原油は、「ブレント原油+50ドル」のプレミアムを乗せて「1バレルあたり155ドル」や「同166ドル」にぶっ飛んだが、5月相場は中東原油のスポット価格のプレミアムを買い争っているわけではない。4月から5月はサプライチェーンの再設計と強靭化が進展しています。
(ⅰ)3月はホルムズ海峡閉鎖で中東原油スポット価格のプレミアムが急騰
(ⅱ)3月下旬から4月は、サプライチェーンの見直しと再設計
(ⅲ)5月はその強靭(きょうじん)化
5月相場は、あらたなサプライチェーンの「巡行速度の相場」です。
当社は「巡航速度」のイメージです。
「日本経済新聞」高橋徹編集委員による酒井則明出光興産社長インタビュー
問 代替調達の進捗はどうですか。
酒井則明社長 いまは半年先、1年先の調達分の契約はむずかしく、だいたい3カ月先を見据えながら産油国と交渉しています。当社の場合、米国産や南米エクアドル産のほか、パイプライン経由でホルムズ海峡を迂回し出荷される中東産も一定程度買えています。5月は前年比でざっと半分が代替調達分。6月、7月とその比率を高め、8~9月ごろには石油備蓄の放出がなくてもすむ状態を目指しています。
問 ナフサ不足の懸念について
酒井則明社長 石油は連産品。原油を精製する際、ナフサだけを選択的につくるわけにはいきません。もともと国内需要量を原油精製だけでは満たせず、中東からの輸入が多かった製品です。いまはアジアでの買い付けむずかしく、欧州やアフリカまで広げて調達をさぐっています。
問 今後の取り組みについて
酒井則明社長 エネルギー安全保障を考えれば、中東依存度の引き下げは避けられないでしょう。ただ、あらたな調達先から、将来も安定的に買える保証はありません。中東依存度の高さは、長期で良好な関係を築いてきた裏返しです。代替調達先と同様な関係をつくれないと、あらたなリスクとなるだけです。危機前に国内消費量の約250日分あった備蓄の適正規模についても、官民でさまざまな議論が始まるのではないでしょうか。量だけなく、原油と製品のバランス、さらにナフサの備蓄制度創設もふくめて、総合的に検討する必要があります。
【1】国際原油取引の指標
ICEブレント原油先物 2026年5月18日(月)
限月 始値 高値 安値 帳入値 終値 前日比
07月限 2026 109.75
08月限 2026 105.52
09月限 2026 100.83
10月限 2026 97.06
11月限 2026 94.11
12月限 2026 91.53
ICEブレント原油先物 2026年5月15日(金)
限月 始値 高値 安値 帳入値 終値 前日比
07月限 2026 106.58 109.75 106.26
109.26 109.47 +2.88
08月限 2026 102.20 105.09 101.89
104.74 104.91 +2.63
09月限 2026 98.04 100.63 97.77
100.32 100.49 +2.30
10月限 2026 94.55 96.80 94.39 96.54 96.69 +1.94
11月限 2026 91.85 93.71 91.64 93.49 93.60 +1.56
12月限 2026 89.67 91.19 89.37 90.98 91.12 +1.34
【2】中東原油の価格指標
アジア諸国は、中東から離れて、代替調達先を拡大しているので、中東原油の指標はディスカウントです。
ICEブレント原油とプラッツドバイ原油の価格差
プラッツドバイ原油 5月限=「ICEブレント原油2026年07月限-2.20ドル」
プラッツドバイ原油 6月限=「ICEブレント原油2026年08月限-3.10ドル」
プラッツドバイ原油 7月限=「ICEブレント原油2026年09月限-2.88ドル」
プラッツドバイ原油 8月限=「ICEブレント原油2026年10月限-2.29ドル」
5月18日(月)10:15のドバイ原油試算
為替、5月18日(月)の想定レンジ「1㌦=158.95-158.70-158.45円」
相場は変動しているので、おおざっぱに計算します。
プラッツドバイ原油 5月限「ICEブレント原油 7月限 111.45 -2.20ドル」=109.25
プラッツドバイ原油 6月限「ICEブレント原油 8月限 106.66 -3.10ドル」=103.56
プラッツドバイ原油 7月限「ICEブレント原油 9月限 102.02 -2.88ドル」= 99.14
プラッツドバイ原油 8月限「ICEブレント原油10月限 98.00 -2.29ドル」= 95.71
「1㌦=158.92円」で換算
プラッツドバイ原油 5月限=109.25ドル 109,200円
プラッツドバイ原油 6月限=103.56ドル 103,510円 +4,940円高
プラッツドバイ原油 7月限= 99.14ドル 99,100円 +4,320円高
プラッツドバイ原油 8月限= 95.71ドル 95,660円 +3,690円高
【3】GMEオマーン原油のディスカウント
(ⅰ)3月19日にかけて中東原油のスポット価格のプレミアムを買い上げた。
(ⅱ)その後、日本などアジアの主要国は、中東から離れ、他の調達先に切り替える動きが進んでいる。
(ⅲ)3月末から4月、5月相場で、中東原油はディスカウント。
(ⅳ)オマーン原油とドバイ原油はほぼ「同値圏」です。
GMEオマーン原油7月限のマーカープライス
東京時間午後5時30分の査定価格
日付 ICEブレント原油7月限 GMEオマーン原油7月限マーカープライス
5/15(金) 109.28ドル 106.75ドル - 2.53ドル
5/14(木) 106.15ドル 104.81ドル - 1.34ドル
5/13(水) 106.92ドル 104.64ドル
- 2.28ドル
5/12(火) 106.76ドル 104.74ドル
- 2.02ドル
5/11(月) 103.82ドル 101.00ドル
- 2.82ドル
5/08(金) 100.14ドル 97.06ドル - 3.08ドル
5/07(木) 100.04ドル 96.64ドル - 3.40ドル
5/06(水) 106.41ドル 103.25ドル
- 3.16ドル
5/05(火) 112.72ドル 106.16ドル
- 6.56ドル
5/04(月) 109.91ドル 102.04ドル
- 7.87ドル
【4】2番限の価格差 ブレント原油とプラッツドバイ原油
価格差は安定的な推移です。
日付 ICEブレント原油8月限 プラッツドバイ原油6月限
5/15(金) 104.74ドル 101.636ドル - 3.104ドル
5/14(木) 101.38ドル 98.262ドル - 3.118ドル
5/13(水) 101.60ドル
98.476ドル - 3.124ドル
5/12(火) 103.83ドル 101.033ドル - 2.797ドル
5/11(月) 100.39ドル 97.323ドル - 3.067ドル
5/08(金) 97.57ドル 93.942ドル - 3.628ドル
5/07(木) 96.38ドル
92.816ドル - 3.564ドル
5/06(水) 97.08ドル
94.068ドル - 3.012ドル
5/05(火) 104.89ドル 102.797ドル - 2.093ドル
5/04(月) 107.92ドル 104.000ドル - 3.920ドル
5/01(金) 101.91ドル 97.596ドル - 4.314ドル
4/30(木) 103.39ドル 100.568ドル - 2.822ドル
4/29(水) 103.48ドル 100.968ドル - 2.512ドル
4/28(火) 98.83ドル
96.888ドル - 1.942ドル
4/27(月) 96.76ドル
95.519ドル - 1.241ドル
4/24(金) 94.28ドル 93.701ドル - 0.579ドル
4/23(木) 94.57ドル 93.988ドル - 0.582ドル
4/22(水) 91.83ドル
91.084ドル - 0.746ドル
4/21(火) 89.46ドル 88.212ドル - 1.248ドル
4/20(月) 87.20ドル 86.257ドル - 0.943ドル